最大56コア/112スレッドのデュアルXeonを搭載可能な「ThinkStation P920」に課せられた役割とは(1/2 ページ)

» 2017年11月09日 15時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

最新プラットフォームの採用で性能を大きく底上げ

 2017年11月7日、レノボ・ジャパンがワークステーションの新モデル「ThinkStation P920」「ThinkStation P720」を発表し、受注を開始した。ウルトラハイエンドに位置付けられたP920とハイエンドのP720で、それぞれP910とP710の後継機となる。同社直販価格でP920は50万7000円〜、P720は47万4000円〜(いずれも税別)だ。

photo 新モデルの位置付け

 最新モデルの特徴は、2017年7月にインテルが発表したSkylake-SP世代のXeonスケーラブル・プロセッサと、チップセットのIntel C621(開発コード名はLewisburg)を組み合わせた新プラットフォーム“Purley”の採用にある。

 新型マザーボードはデュアルソケット(LGA3647×2)対応のため、最大で28コア/56スレッドのXeon Platinumを2基搭載することで、56コア/112スレッドのハイパフォーマンスを獲得(上モデルのP920のみ、P720は最大48コア/96スレッド)可能だ。

photo 2基のXeonプロセッサを搭載可能だ。写真はエアーバッフルを外した状態

 従来機は4チャネルだったメインメモリ(エラー訂正機能付き)も、6チャネルに拡張してDDR4 2666MHz(PC4 21300)と高速化したほか、最大2TBまで実装(出荷時は最大1TBまで、P720は最大384GB)可能になった。また、グラフィックスカードも最新のPascal世代を選べ、「2枚のQuadro GP100をNVLink構成で公式サポートとするのはレノボだけ」(レノボ・ジャパン ワークステーション製品事業本部 シニアプロダクトマネージャー 高木孝之氏)だとアピールする。これらにより、物理ベースの3Dグラフィックスやシミュレーション、VRやMR、AI、金融、さらにはディープラーニングなど、高い性能と信頼性が求められる幅広い分野に適用できるとしている。

photo P920は16基のメモリスロットを備える
photo ワークステーション向けのハイエンドGPU「Quadro GP100」を、NVLink構成(デュアルGPU)で選べるのがポイントだ
photo 3Dグラフィックス性能を評価する「SPECviewperf 12.1」での比較。前モデルのP910比で約40%、P900比では最大で3倍近い差がある
photo システムを総合評価する「SPECwpc 2.1」での比較。従来モデルに比べてリニアに性能が伸びている

 ストレージの構成も柔軟で、マザーボード上にM.2スロットを備え、最大9ドライブのPCIe NVMe SSDも内蔵できる。さらにオプションで、M.2 SSD×4を搭載したPCI Expressカード「Quad M.2 PCIe SSDアダプターカード」も追加可能だ。

 また、NVMe M.2 SSDをCPUでRAID構成にし、RAIDボリュームからのブートにも対応にする「Intel Virtual RAID」(Intel VROC)も新たにサポート。RAID 0/1/10が可能な「VROC Basic」と、RAID 0/1/5/10の「VROC Premium」を用意する。

 このVRODでは、バックアップ用のバッテリーを使わずにRAID5の部分書き混み状態エラー(RAID 5書き込みホール)を防止する。

photo Purleyプラットフォームで導入された「Intel Virtual RAID」を標準でサポートする
photo Intel VROCによるRAIDにも対応した「Quad M.2 PCIe SSDアダプターカード」がオプションメニューに追加された

 新モデルではシステム診断機能も進化しており、システム稼働時にOSレベルの診断をする「ThinkStation Diagnostics」と、OSが起動しなくても診断可能な「Lenovo PC Diagnostics」が提供される。特に後者は、iOSとAndroid対応のモバイルアプリとして利用でき、ボディー前面にある光を音に変換してPCの状態を診断することで迅速にエラー状態を把握できるほか、ボディー前面のディスプレイに表示される4ケタのエラーコードを入力することで診断も行える。ダウンタイムを極限まで減らせる機能だが、電源ユニットが故障した際は利用できない。

photo スマホでエラー診断をしているところ。従来はワークステーションとのケーブル接続が必要で、Androidしか用意されていなかったが、iOS版も提供される
photo 前面の5型ベイは、光学ドライブ以外にも豊富なオプションモジュールから選べる
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