人気プロ絵師による「Cintiq Pro 24」完全レビュー(5/7 ページ)

» 2018年04月07日 06時00分 公開
[refeiaITmedia]

4Kの計算量をナメてはいけない

 ここでもう1つだけ、Cintiq Pro 24自体の性能とは関係ありませんが、4K表示とパフォーマンスの問題について、とても大事なことなので述べておきます。

 4K(3840×2160ピクセル)画面は、フルHD(1920×1080ピクセル)の4倍、WQHD(2560×1440ピクセル)の約2.3倍のピクセル数があります。これは、画面表示のための計算量が増えるということです。自分は本機以前から4Kを使用していて、パフォーマンス面で厳しい状況になったことが何度かありました。

 ざっくり言うと、従来解像度でちょっと重かった作業が、4Kにするだけで重さが数倍になり得ます。

 実際の例を見てみましょう。「CLIP STUDIO PAINT」でとても重いPSDファイルを開いて、レイヤーグループの表示とブラシレスポンスを見てみます。フルHD画面と4K画面で同じ操作をする様子が収録されているので見比べてください。

重いファイルの、4K画面でのパフォーマンス低下の例(「q-o」カバー用イラスト E☆2/refeia)

 いかがでしょう……。これは極端な例ですが、フルHDでは「我慢できるかな?」レベルだったのが、4Kだと「あ、無理だこれ」というのが分かっていただけたと思います。

 これは極端な例なので、常にしんどいというわけでは全然ありません。ただしパフォーマンスへのインパクト自体は常に起こり続けていますし、なんとなくずっともっさり、みたいなのは気持ちが良いとはいえません。これを避けたいならば、打てる策は幾つかあります。

  1. 画面解像度を落とす
  2. 最大化していないウィンドウで作業する
  3. 速いPCを用意する

 画面解像度を落とすのは、16型4KではWQHDあたりで使うと快適さと解像力のバランスが良くてずっと利用していたのですが、24型でやるとちょっと画面が荒くなりすぎて厳しいです。

 最大化していないウィンドウで作業するというのは、こうです。なんか悲しいですが実際助かるので……。

「q-o」カバー用イラスト E☆2/refeia

 「速いPCを用意する」については、参考のために、Core i7-7700KとGeForce GTX 1050TiのPCから、CPU、メインメモリ、GPUそれぞれの性能を設定で約3割引きにした場合の、ある一定の条件でのレイヤー表示時間を載せておきます。

CLIP STUDIO PAINTのレイヤー表示時間

 CLIP STUDIO PAINTの場合、かなりCPU依存で、GPUは1050 Tiレベルなら性能が余っていることが分かります。ブラシレスポンスは測りづらいですが、作業してみた感じでは似た傾向だったと思います。

 また、手元でよく使うソフトの中では「Photoshop CS6」も4Kでの性能低下のインパクトは大きく、特にブラシレスポンスに問題が出やすかったです。「Photoshop CC 2018」はこれらの中では4Kでのパフォーマンス低下は少ないです。

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