さて、恒例のお絵かきをしていきましょう。今回は別の制作業務に使うのは微妙に怖かったので、先に載せた古いノートPCのまま、付属ソフトにも含まれている「CLIP STUDIO PAINT」でお絵かきをしていきます。
まずはラフから。ペンタブレットは授業でたまに使うぐらいで、イラスト製作には10年近く使っていないですが、意外とサクサク描けます。
筆圧は先に書いたように調節済み、ただし、Cintiq Proよりもペン先の摩擦がずっと強いので、同じ感覚では描けません。硬めの鉛筆で筆圧をかけながら線を引いているような、シッカリした感じで、こっちのほうが好みという人も多いと思います。
Mediumサイズの検知範囲は自分にとってもちょうど良くて、腕を振り回さなくてもいいので楽に感じます。
次に線画。ここはさすがに、慣れに慣れているCintiq Proを使うよりは失敗ストロークが増えてきます。とはいえ、線が決まらなくて苦痛という感じでもないし、品質面でも液晶ペンタブレットを使ったのと大差ないよな、という感じで線が出てきます。
良いです。何かちょっと感覚があわないとすぐ手が止まる癖があるのですが、今回は止まらないです。
塗り行きましょう塗り。筆圧を軽くして滑らかなグラデーションを作るようなストロークも、普通です。普通に進んでいくってすばらしい……
バッテリーは10%減るのに約1時間20分かかりました。人間より先にタブレットがスタミナ切れになることはほぼなさそうです。
その他、液晶ペンタブレットと比べてペンを動かす範囲が小さくてすむメリットとして、どんどんとストロークを重ねていってもあまり疲れないというのがあります。おなかは気の向くままナデナデしつつ、髪の毛はシンプルめにして完成です。
繰り返しになりますが、不慣れなペンタブレットで1枚描くのは大変かな、と思っていたんですが、全然大変じゃなかったです……。よかったね!
少し気になったのがペン先の摩耗。数時間の作業でも目に見えて先が削れています。摩擦が強いので仕方がないとも思えますが、普段使っているCintiq Proとハードフェルト芯だと、ずいぶん使い込んでもペン先は「べつに?」みたいな顔をしているので、それに慣れていると驚きます。
というわけで、外観と設置を見て、液晶ペンタブレットユーザーとしてペンタブレットのうれしさを再発見することができて、製作しながらのインプレッションもできました。いつものように良かった点と気になる点をまとめていこうと思います。
気に入った点
人によっては難点になるかもしれない点
といったところでしょうか。
最初は「積極的に欲しいもんでもないな」などと思っていましたが、短い間とはいえ学校に連れ出したり実用したりしているうちにちょっと愛着がわいてしまいまして……あーこういう気軽なのっていいな……という気持ちです。
自分の癖という面もありますが、デジタル一眼を使っているときも、安いカメラのほうが気持ちが楽で楽しくなってくる場合が多いです。自分は普段はCintiq Proを使用していて、性能面とそれで得られるアウトプットや、製作の楽しさには満足しています。
ですが、Intuosを使っているときに感じる気楽さと、そこからくるプラスαの楽しさのような不思議な境地は、Cintiq Proではずっと得られないのではという気がしています。
前々から感じていたペンタブレットの広範な便利さもシェアできましたし、Intuos自体も使って楽しく性能十分で、うっかりしちゃってもお財布ダメージがほとんどない製品でしたし、レビューできてよかったです。
あとお絵かきも楽しかった。
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