3年前に登場したApple Watchは、3世代目まではかたくなに同じ形状を守ってきたが、世界で最も売れている(スマートウォッチではなく一般のものも含めた)時計の座を獲得した今回、初めて形状を大きく変更した。新世代のiPhone同様に画面を大胆に30%ほど大型化したのが特徴で、それにあわせて本体の形状も一回り大きくなっている。
これまでは38mmモデルと42mmモデルの2つがあったが、それぞれ40mmモデルと44mmモデルに大型化された。ちなみに、既にApple Watchを持っていて、お気に入りのバンドがある人のために、38mmモデルのバンドは40mmモデル、42mmモデルのバンドは44mmモデルでそのまま使えるようになっている。
画面の大型化にあわせて通話のための機能(主にマイクでの集音やスピーカーからの音)などが改善された他、デジタルクラウンと呼ばれるリュウズ(竜頭)を回したときにカチカチというメカニカルな触感が加わり、より操作がしやすくなるとともに心地よさもアップした。
他にも中のマイクロプロセッサや加速度センサーなどの精度が大幅に向上している。そしてなんといっても画期的なのが、これまで備えていた心拍計に加えて、新たに心電図(ECG)が取れるセンサーが内蔵されたことだろう。
製品発表会にはアメリカ心臓協会の代表が登壇し、これがいかに画期的なことであるかを熱弁した。ただ、残念ながら日本で発売されるApple Watchでは、この心電図を取るためのアプリが排除されているようだ。これはおそらく現時点で厚生省の認可が下りていないためだろう。
同様に新Apple Watchには、転倒をしたことを察知して、しばらく、操作がないと自動的に救急や近親者に連絡をするという機能が追加された。既にiPhoneの心拍計が何人かの命を救ってニュースになっているが、この機能も多くの人の命を救ってくれそうで期待をしたい。
医療業界に関わりの深い方が、Apple Watchのこれらの機能が認可を受けるまでの道のりの長さを紹介しているブログ記事があるので紹介しておきたい。(「心電図計測が可能な Apple Watch Series4 が日本で入手できるようになるためには」/Yousuke HATANAKA)。
道のりは長いが、日本にも必要な機能なので、これを機会に多くの人に関心をもってもらい、日本が他国に比べて医療コスト削減で遅れることがないように声をあげていきたいものだ。
このように今回発表されたApple Watch series 4とiPhone XSシリーズ、XRシリーズは、いずれもスマートフォンの新しい活用、スマートウォッチの新しい活用を切り開くもの。ここからどんな未来が生まれるのか非常に楽しみな存在だ。
(取材協力:アップルジャパン)
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