前回、Amazonの「Fire」タブレット上で、画面に触れることなく音声アシスタントの「Alexa」が使える「Alexaハンズフリー」なる機能を紹介した。つまり、Fireタブレットを同社のスマートスピーカーである「Amazon Echo」のように使えるという機能だ。
現状で利用にあたっては、日本のAmazon.co.jpのアカウントではなく、米Amazon.comのアカウントが必要になる。近い将来、Amazon.co.jpアカウントで利用可能になることが待望されるこの機能だが、スマートスピーカーのEchoと同等であると表現するにはやや無理がある。単にFireタブレット上でAlexaが使えるようになったというだけだ。
その点、もう一つの「Showモード」なる機能であれば、ディスプレイ付きのAmazon Echo、つまり「Echo Show」や「Echo Spot」と同等の使い勝手を実現できる。今回はこのShowモードについて、Alexaハンズフリーとの違いも含めて詳しく紹介する。
Showモードをオンにしておくと、画面に触れることなくAlexaを呼び出せるようになるのはもちろんのこと、画面上にトレンドやニュース、天気予報、カレンダー、写真、アラーム、リマインダーなど、さまざまな情報(ホームカード)がループ表示される。またその合間には、Alexaに尋ねてみるべき音声コマンドのヒントが、画面の下に表示される。
Echo Spotの利用経験がある人であればお分かりだろうが、これは通常時のEcho Spotの画面表示とほぼ同じだ。つまりこのShowモードでは、Fireはタブレットとしての表示を完全に止め、Echo ShowやEcho Spotなどと同じく、画面付きのスマートスピーカーとして動作しているのだ。Showモードという名前はつまり、「仮想Echo Showモード」だと考えれば分かりやすい。
ところで、このモードは前回紹介したAlexaハンズフリーとはまた別の機能だ。Alexaハンズフリーは、あくまでもタブレットとして使いつつ、その上でFireタブレット本体に触れることなく音声コマンドを使えるようにするための機能であるのに対し、今回のShowモードは動作モードそのものを切り替えてしまう機能だ。
そのため、Alexaハンズフリーを設定でオフにしていても、Showモードで動作している間は、タブレット本体に触れずに音声コマンドが使えてしまう。Showモード自体、ハンズフリーでの利用が前提だからだ。
また、前回と同じ東京の天候を尋ねる質問を行った場合も、表示方式は全く異なる。Alexaハンズフリーは全ての情報が1つの画面に集約されていたのに対して、このShowモードでは、情報が6つの画面に分割され、スライドショーとして表示される。
さらに画面が分割されていることに加え、フォントサイズは大きくなっている他、Alexaが反応したときに点灯する下段の青いバーの幅も太くなっている。タブレットとして手に取って見るわけではないので、遠くからでも見えるよう、最適化が図られているということだろう。
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