AMDは1月7日(米国太平洋時間)、APU(CPUとGPUを統合したプロセッサ)の新製品として、第2世代「AMD Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics」と「AMD A-Series Processors for Chromebook PCs」を発表した。
第2世代Ryzen Mobileは、12nmプロセスのCPUコアと(参考記事)、「AMD Vegaアーキテクチャ」のGPUコアを統合したAPU。
今回の発表では、以下のラインアップが発表されている。なお、エントリープロセッサとなる「Athlon 300U」と「Ryzen 3 3200U」については、CPUのプロセスが14nmのままとなる。
※ プロセッサのTDP(熱設計電力)は、モデル名末尾が「U」のものが15W、「H」のものが35Wとなる
いずれのプロセッサも4K(3840×2160ピクセル)のHDR(高ダイナミックレンジ)動画をストリーミング再生する能力を備えており、スリープからのより高速な復帰をサポートする「モダンスタンバイ(旧称:Connected Standby)」に対応している。
AMDの自社調べではあるが、普及モデルであるRyzen 5 3500Uは、Intelの「Core i5-8250U」(Kaby Lake Rアーキテクチャ:1.6G〜3.4GHz・4コア8スレッド)よりもWebブラウジングで14%(「PCMark 10」によるテスト)、メディア編集で27%(「Adobe Photoshop」利用時)高速で、Microsoft Officeスクリプトを同等のパフォーマンスで実行できるという。
また、これも同社調べだが、ハイエンドモデルであるRyzen 7 3700Uは「Core i7-8565U」(Whiskey Lake世代:1.8G〜4.6GHz・4コア8スレッド)よりも「Rocket Game」「DOTA 2」「FORTINITE」をプレイすると平均フレームレートが改善することもアピールしている(いずれも1280×720ピクセル・低品質設定時)。
第2世代Ryzen Mobileを搭載する製品は、年内に Acer、ASUS、Dell、HP、Huawei、Lenovo、Samsungから登場する予定だ(国内発売は未定)。
AMDではRadeon GPU向けに「Radeon Software」を提供しているが、2019年第1四半期中に第1世代を含むRyzen Mobile向けにも同ソフトウェアを提供する。
AMD A-Series ProcessorsはAMDのエントリーPC向けのAPUシリーズ。今回、Googleが提唱する「Chromebook(クロームブック)」に最適化した製品として以下の製品をリリースする。
従来ChromebookはIntelの「Celeron」あるいは「Pentium」を採用してきたが、AMDの新製品はWebブラウジング、生産性、メディア編集、ゲームプレイの面においてこれらのプロセッサよりも高速であることをアピール。特にWebブラウジングは最大で23%高速化するという。
これらのプロセッサを採用したChromebookは、HPとAcerから登場する予定だ(日本での発売は未定)。
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