AMDが第2世代Ryzenを4月に投入 長期ロードマップも公開CES 2018(1/3 ページ)

» 2018年01月08日 15時00分 公開
[本間文ITmedia]

 AMDは1月6日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスのホテルにおいて、記者向け発表会を開催し、CPUとGPUに関する長期ロードマップアップデートを行なうとともに、2018年第1四半期に投入する製品群の概要を公開した。

 オープニングに登壇したリサ・スー社長兼CEOは、2018年もハイパフォーマンスコンピューティング製品にフォーカスして製品開発・展開を行なっていく考えを示し「継続的に優れた製品を提供し続けることで、高性能コンピューティングのルールを変える」と宣言。具体的に以下の3点を示した。

  1. 新しいRyzen CPUとAPUを投入
  2. Radeon Vegaファミリーの拡大
  3. テクノロジーや知的財産ロードマップの加速
AMDのリサ・スーCEO

AMDがターゲットとするハイパフォーマンスコンピューティングは、データセンターやクラウドのみならず、ゲーミングやVR、PC、機械学習、オートモーティブなど、より広範なイメージ

AMDの2017年は製品ラッシュとなった

 スー氏はまず、2017年末に発表したRyzen Mobileプロセッサのリーダーシップを挙げた。Ryzen Mobileでは、Zenコアと最新のグラフィックスアーキテクチャであるVegaコアを統合することで、競合よりもすぐれたマルチスレッド性能を圧倒的なグラフィックス性能を実現。

Ryzen Mobileの優位性をアピール

 そして、デスクトップCPUでは、Ryzenも第2世代に進化させる。第2世代のRyzenは、12nmプロセスルールを採用する“Zen+”へと進化し、さらなる高クロック化とPrecision Boost 2テクノロジの採用で、高性能化を果たす。

 同社は、この第2世代のRyzenのパートナー向けサンプル出荷を開始しており、2018年4月には市場投入する計画であることを明らかにするとともに、エンジニアリングサンプルによる実働デモも披露した。

第2世代Ryzenの投入を予告

 また、グラフィックスでは、CESにあわせてVegaのモバイル版となる「Radeon Vega Mobile」を披露。デスクトップ版のVegaと同様、HBMを搭載し、超薄型(Ultra Thin)ノートPCに、より優れたグラフィックスパフォーマンスをもたらすべく、チップの高さも1.7mmに抑えている。同社は、さらに、7nmプロセスを採用したVegaベースのGPUを、機械学習などの用途向けGPUとなるRadeon Instinctのラインアップに追加する計画を明らかにした。

Radeon Vega Mobileチップを披露するリサ・スー氏

Radeom Vega Mobileと7nm版Vegaの投入も予告

RADEON Vega Mobileの特徴

7nm版Vegaは、まず機械学習用ソリューションが先行する

 スー氏はAMDの長期ロードマップも公開した。CPUコアでは、12nmプロセスを採用する“Zen+”に続き、アーキテクチャ強化が図られる“Zen2”では7nmプロセスを、さらに次々世代CPUアーキテクチャとなる“Zen3”では、改良版の7nmプロセスを採用する計画だ。

 さらにZen+、Zen2、Zen3では、半導体業界の年平均成長率(CAGR:Compound Average Growth Rate)を上回る性能向上を果たすべく、アグレッシブなゴールを設定していると同氏は語る。

 また、グラフィックスロードマップでは、7nm版の“Vega”に続き、新アーキテクチャとなる“Navi”でも7nmプロセスを採用。さらに、アーキテクチャ強化が図られる次々世代では、強化版の7nmプロセスを採用する意向だ。

AMDのCPUロードマップ

業界の年平均成長率を上回る性能向上を目指す

グラフィックスロードマップ

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