AMDは、まず、CESにあわせて“Raven Ridge”の開発コード名で知られるRyzen Mobile(詳細記事)にエントリーモデル2製品を追加し、2018年第1四半期中に、PCベンダーから製品が順次市場投入されると説明。さらに、モバイル市場向けにもビジネス向けにセキュリティ機能を強化したRyzen PRO Mobileプロセッサを同年後半に投入する考えだ。
Ryzen Mobile processor with Radeon Vega graphics | CPUコア数 | スレッド数 | 最大ブーストクロック | グラフックスCU数 | 最大GPUクロック | L2/L3キャッシュ | cTDP |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 2700U with Radeon RX Vega 10 Graphics | 4 | 8 | 3.8GHz | 10 | 1300 | 6MB | 15W |
Ryzen 5 2500U with Radeon Vega 8 Graphics | 4 | 8 | 3.6GHz | 8 | 1100 | 6MB | 15W |
Ryzen 3 2300U with Radeon Vega 6 Graphics | 4 | 4 | 3.4GHz | 6 | 1100 | 6MB | 15W |
Ryzen 3 2200U with Radeon Vega 3 Graphics | 2 | 4 | 3.4GHz | 3 | 1000 | 5MB | 15W |
Ryzen PRO Mobile processor with Radeon Vega graphics | CPUコア数 | スレッド数 | 最大ブーストクロック | グラフックスCU数 | 最大GPUクロック | L2/L3キャッシュ | cTDP |
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Ryzen 7 PRO 2700U with Radeon RX Vega 10 Graphics | 4 | 8 | 3.8GHz | 10 | 1300 | 6MB | 15W |
Ryzen 5 PRO 2500U with Radeon Vega 8 Graphics | 4 | 8 | 3.6GHz | 8 | 1100 | 6MB | 15W |
Ryzen 3 PRO 2300U with Radeon Vega 6 Graphics | 4 | 4 | 3.4GHz | 6 | 1100 | 6MB | 15W |
一方、デスクトップ市場向けには、“Raven Ridge”コアを利用した“Ryzen APU”の「Ryzen Desktop processor with Radeon Vega graphics」を2月に市場投入するとともに、現行のRyzenについても大胆な値下げを行ない、Ryzen市場の裾野を広げる構えだ。
Ryzen APUは、4コア/8スレッド、11グラフィックスCU(Compute Unit)モデルの「Ryzen 5 2400G with Radeon RX Vega 11 Graphics」と、4コア/4スレッド、8グラフィックスCUモデルの「Ryzen 3 2200G with Radeon Vega 8 Graphics」の2製品を、米国時間の2月12日より発売する。価格は、Ryzen 5 2400Gが169米ドル、Ryzen 3 2200Gは、99米ドルというアグレッシブな価格設定で市場投入される。
このRyzen APUもまた、CPUクロックやメモリクロックだけでなく、GPUクロックもアンロックの状態で投入され、高性能な冷却装置と組み合わせれば、オーバークロックで性能を高めることができるという。
Ryzen Desktop processor with Radeon Vega graphics | CPUコア数 | スレッド数 | 最大ブーストクロック | グラフックスCU数 | 最大GPUクロック | L2/L3キャッシュ | cTDP |
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Ryzen 5 2400G with Radeon RX Vega 11 Graphics | 4 | 8 | 3.9GHz | 11 | 1250 | 6MB | 45 - 65W |
Ryzen 3 2200G with Radeon Vega 8 Graphics | 4 | 4 | 3.7GHz | 8 | 1100 | 6MB | 45 - 65W |
このRyzen APUの投入にあわせ、AMDは「Ryzen Threadripper 1900X」を549米ドルから449米ドルへ、「Ryzen 7 1800X」を499米ドルから349米ドルなど、大幅な価格改定を実施し、競合製品との対価格性能比の優位性をさらに高める意向を示している。
AMDでクライアントCPUビジネスを統括するジム・アンダーソン副社長は、65W TDPの「Ryen 5 2400G」は、NVIDIAのGeForce GT 1030クラスの3Dグラフィックスパフォーマンスを持ち、CPU内蔵グラフィックスで十分と考えているユーザー層のユーザー体験を大幅に向上させると説明する。
また、AMDは開発コードネーム“Pinnacle Ridge”と呼ばれる12nmプロセスで製造されるZen+コア搭載の第2世代Ryzenが、「Ryzen 2000」シリーズとなり、2018年4月に投入されるとともに、AM4プラットフォームにも省電力化と高性能化を図ったX470など400シリーズチップセットを用意していることも明らかにした。
さらにアンダーソン氏は「むろん、Ryzen Threadripperにも12nmプロセス製品を用意している」とし、2018年後半にRyzen Threadripperも進化を果たす予定であるという。なお、AMDではこれらの第2世代Ryzen製品も、BIOSアップデートを行なうことで既存のマザーボードで利用できることも明らかにしている。
また、デスクトップCPUの購入者には、Enmotusのストレージ仮想化ソフトである「FuzeDrive」を20米ドルで購入できるようにする。このFuzeDriveは、複数のSSD、またはSSDとHDDを1つのドライブのように仮想化し、頻繁に利用されるソフトなどはSSDの領域で実行されるようにすることで、ストレージ体感速度を向上させられるものだ。このほか、AMDは純正CPUクーラーのWraithシリーズに、RGB LEDリングを組み込んだ「Wraith Prism」を追加し、現行の最上位モデルである「Wraith Max」を45米ドルに価格改定する。
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