ベンチマークテストにはFuturemarkの「PCMark 10 v1.1.1739」と、MAXONの「CINEBENCH R15.0」を使いました。ただ、PCMark 10ではIntel NUCで「Digital Content Creation」の「Rendering and Visualization」テストでエラーが発生してしまったため、測定できた結果のみ紹介しています。
比較用として、これまで5年にわたって使ってきた自作水冷PCを掲載しました。詳細は第1回の記事にも書きましたが、CPUは第4世代のCore i7-4790K(開発コード名:Haswell Reflesh)で、メモリは16GB DDR3、SSDはTranscendのSolid State Drive 370(TS1TSSD370)の1TBという構成です。
Intel NUCは第8世代Coreプロセッサを採用するほか、メモリもDDR4になっています。さすがにGPUは統合型ですが、約5年という年月の進化が、どのように数値に反映されているでしょうか。
モデル | Intel NUC(NUC8i7BEH) | 自作水冷PC |
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CPU | Core i7-8559U(2.7〜4.5GHz) | Core i7-4790K(4.0〜4.4GHz) |
コア数 | 4コア8スレッド | |
TDP | 28W | 88W |
GPU | Intel Iris Plus Graphics 655 | GeForce GTX 970(4GB) |
メモリ | DDR4-2400 SO-DIMM 16GB(8GB×2) | DDR3-2133 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD(NVMe) | 1TB SSD(Serial ATA) |
OS | 64bit版Windows 10 Home | |
PCMark 10 | v1.1.1739 | |
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モデル | Intel NUC | 自作水冷PC |
Extended Score | − | 5183 |
Essentials Scenario | 9237 | 8703 |
App Start-up Score | 12171 | 10831 |
Video Conferencing Test | 7789 | 7409 |
Web Browsing Score | 8315 | 8215 |
Productivity Scenario | 7367 | 7723 |
Spreadsheets Score | 8843 | 9705 |
Writing Test | 6139 | 6146 |
Digital Content Creation | − | 5621 |
Photo Editing Score | 5603 | 6095 |
Rendering and Visualization Score | − | 6857 |
Video Editing Score | 4902 | 4250 |
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 86.54fps | 108.14fps |
CPU | 770cb | 839cb |
さすがにグラフィックスカード(GPUはGeForce GTX 970)を搭載しているだけあって、GPUに関連するテスト結果は自作水冷PCが勝っていますが、その他の値はIntel NUCが5%〜10%程度上回っています。ゲーム関連のテストをすればさらに差は開きますが、ライトなゲームタイトルならば、Intel NUCでも十分なパフォーマンスを発揮してくれそうです。
一方ストレージの差は圧倒的で、水冷PCではHDDに比べて高速に動作していたSSDも、Intel NUCと最新のNVMe SSDという組み合わせの切れのよさにはかないません。ファイルの圧縮や解凍でも体感できるレベルで差がありました。
気になる発熱については、それぞれのマザーボード上にあるセンサーのため単純比較はできませんが、CPUは水冷PCが45度〜50前後、Intel NUCが50度〜90度前後(中心帯は60度〜70度前後)で推移していました。ただ、ボディー全体が熱を帯びるといったこともなく、冷却ファンの風切り音も高音で耳障りなタイプではなく、負荷に応じてすぐに回転数が落ちる状態でした。その変動が目立つ場合もありますが、本モデルはあまり気になりませんでした。
何より、通常の音楽再生やオフィスアプリを使う程度ではほぼ無音(暗騒音に隠れてしまう程度)状態で、電源ファンやケースファンがある水冷PCよりも静かに感じたのは想定を上回るものでした。
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