ベンキュージャパンは、2月26日にプロジェクター「HT3550」と「GV1」を日本市場で販売すると発表した。HT3550は4月19日から出荷を開始する予定で価格は19万8000円、GV1は3月26日に出荷を開始し、価格は4万2800円になる見込み(ともに税込み価格)。発表当日には、HT3550とGV1、そして、発売日未定ながら出荷に向けて準備を進めている上位モデル「HT5550」を展示した製品説明会を実施している。
製品説明会でベンキュージャパンの代表執行役社長を務める菊池正志氏は、これからのホームシアター用プロジェクターでは、迫力ある映像を楽しむために大画面高解像度、リアルなカラー再生が重要と述べ、その最終的な目標は「作り手が意図した映像をいかに忠実に家庭で楽しめるか」と語った。
また、ベンキューのホームプロジェクタービジネスの実績として2011年からフルHD対応モデル、2017年からは4K対応モデルとしてTHX HD認証を取得したHT8050を日本市場で販売したのに続けて、2018年にはより購入しやすいHT2550を投入したことで、2018年の日本国内4K市場でトップシェアを獲得したと訴求する。
菊池氏は、今回投入するHT3550をハイエンドとエントリーモデルが既に存在するベンキューの4Kホームプロジェクターラインアップの中間に位置するもので、「2019年も4Kを充実させていく。日本市場にますます広めていきたい」と訴えた。
BenQ アジアパシフィック社長のジェフリー・リアン氏は、スマートフォンやタブレットの普及で同じ空間に居ながらみんなが別々なことをしている現代において、「ベンキューは同じ場所にいる人たちに同じ楽しみを共有してもらうために、シネマやスポーツをともに楽しめるプロジェクターを提供している」と語る。
リアン氏はグローバルの4K市場が2018年で4.2倍に成長したことやベンキューの製品シェアが中国、アジアパシフィック、そして日本など多くの国と地域で1位を獲得したことを紹介した上で、その理由の重要な1つとして「映像の作り手が認める忠実な色再現」を挙げた。
ベンキュージャパン プロダクトマネジャー兼副部長のジミー・ファン氏は、この忠実な色再現を含めた新製品の概要を紹介した。HT3550をはじめとするベンキューのプロジェクターでは、独自に開発した色再現技術の総称として「CinematicColor」を掲げている。
このCinematicColorでは4K HDR専用のRGBRGBカラーホイールやスーパーワイドDCI-P3(Rec.2020。Rec.709から赤色と緑色の色域を拡大している)で定める色域の100%カバー(開発中のHT5550。HT3550は95%のカバー)、そして、出荷する際における全数カラーキャリブレーション実施と認定書添付などで、「作品に忠実な色再生」を図っている。
加えて、最新の0.47型DMDチップを搭載、NHK 4Kなどが採用するHLG(ハイブリッドロングガンマ方式)と4K Blu-ray採用のHDR10への対応、金属バレルに低分散コーティングを施して光透過量を増やした全11枚のオールガラスレンズ(HT5550のみ)など、高精彩を可能にする技術を導入している。
製品説明会では開発中のHT5550についても概要の紹介があった。HT5550では先に紹介したスーパーワイドDCI-P3色域の100%再現と全11枚オールガラスレンズの採用以外でも外装パネルにマット材質を用いて環境光の反射を抑えたりダイナミックアイリスによるトーンマッピング強化を図ったりとHT3550を超える機能を備える予定だ。
一方、HT3550では、スーパーワイドDCI-P3色域の95%再生や全10枚のオールガラスレンズとHT5550と比べて抑えた仕様であるが、日本家屋を配慮して4K映像に適した100型大画面を2.5メートルという4〜5畳の部屋でも投射できる他、1.3倍ズームに縦型レンズシフト、自動台形補正機能を持つことで、設置場所の自由度も高めている。HT3550では本体内部に5Wスピーカーを2台内蔵してプロジェクター本体だけで音声を再生できる。こちらも低域と高音域を強調してステレオ効果をもたらすWaves開発のアルゴリズムとMaxxAudioの音響補正エンジンを導入している。
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