セットアップの手順は一般的なEchoデバイスと同じだが、本製品はスピーカーを内蔵していないので、電源を入れてもいきなりしゃべり出すことはなく、焦る心配はない。その代わりに、スマートフォンのAlexaアプリに「デバイスを見つけました」という通知が届くので、その指示に従ってセットアップを行う。
セットアップが完了したら、Alexaアプリで本製品の設定画面を表示し、必要な箇所を直していく。具体的には、デバイス名や指示を連続して行うための継続モードのオンやオフ、ウェイクワードに反応して音を鳴らすか否か、ウェイクワードの種類などだ。いずれも他のAlexaデバイスと変わらない。
なお、これらの設定の際、スピーカーがミュートになったままだと、いつまで経っても無反応ということになってしまう。めいっぱいボリュームを上げると爆音が出る可能性があるので気をつけたいところだが、Alexaがしゃべっているであろうタイミングで少しずつ音量を上げ、適切な音量となるよう調整するといいだろう。
さて、実際に使ってみた限り、機能は一般的なEchoデバイスと違いはない。少なくとも筆者が日常的に使う機能はすべて網羅されており、「えっ、これはできないの」という問題は見当たらない。
マイクの感度については、厳密に他製品と比較した訳ではないが、むしろ本製品の方が高く感じられる程で、少なくとも実用上の支障は全く感じない。
ただし、設定画面を他のEchoデバイスと見比べると、いくつかの項目がなくなっていることに気付く。例えばEcho Dotなどに用意されているイコライザー機能は、本製品では利用できない。
最も、これは内蔵スピーカーの音質を少しでも市販の外付けスピーカーに近づけるための補助機能だったと捉えれば、省かれたのは理解できる。
また、製品ページを見る限り、Bluetoothスピーカーと組み合わせた場合に、音声通話および呼びかけ機能は利用できないとのことで、海外ではこれに対しての要望が数多く上がっているようだ。
この他にも、日本未発売のEchoリモコンが利用できないなど、いくつかの制限はあるようだが、基本中の基本にあたる機能が抜け落ちていて驚くといったクリティカルな問題はないようだ。
個人的に感心したのは、これだけ小型のボディーでありながら、ケーブルに引っ張られて場所が移動することがないよう、工夫されていることだ。
具体的には、底面にラバー加工を施して滑りにくくしているだけなのだが、同等サイズのスマートリモコンではケーブルを真っ直ぐに伸ばそうとしただけで置き場所がズレてしまう製品も多く、わざわざ両面テープで固定しなくてもズレにくいのは利点だ。ボディーサイズの割に重量がある(約78g)ことも、プラスに働いている印象だ。
ちなみにボディーの素材は、同社の電子書籍端末「Kindle」やタブレット「Fire」のエントリーモデルのボディーと同じ廉価なプラスチック素材で、お世辞にも高級感はなく、擦り傷などもつきやすい。Echoデバイスではおなじみの本体外周部のリングライトがなく、LED1個に集約されていることも、チープさを強めている印象だ。
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