さて本製品でポイントになるのは、どのようなスピーカーと組み合わせるかだが、基本的にAUXケーブルでの接続かBluetoothに対応していれば、特に条件はないようだ。USBや光デジタルケーブルで接続するタイプのスピーカーは、物理的につなげないために利用できない。
ちなみに、本製品の製品ページにはお勧めスピーカーのリストが掲載されているが、これはあくまでもスポンサーの製品を挙げているだけと見られ、これらしか使えないという訳ではない。まずは手持ちのスピーカーをつないで試し、必要に応じて買い替えればいいだろう。
使ってみて感じたのは、少なくとも外部電源で駆動するスピーカーである方がベターということだ。バスパワー接続のスピーカーでも動作しないわけではないが、試した限りでは音量をMAXの「10」近くまで上げてようやく聞こえるといったレベルで、実用性は低い。ACアダプターからの給電で十分な出力が得られる製品を選ぶべきだろう。
そこさえ順守しておけば、実用性は一般的なEchoデバイスよりも上だ。今回試しに組み合わせたのは、AmazonのPCスピーカーカテゴリでベストセラーであるクリエイティブ・メディアの「Creative Pebble」(SP-PBL-BK)で、最大出力は4.4Wとエントリークラスだが、それでもAmazon Musicはこんなにいい音だったんだと実感できる。
音量はノブを回すことで直感的に調整できるし(これは組み合わせる製品にもよる)、何よりスピーカー一体型のEchoと違い、2基のスピーカーユニットを左右にステレオで配置できるのは、音楽再生においては大きな利点だ。最も、既存のEchoファミリーも外付けスピーカーを接続することは可能なので、これは本製品だけの利点というわけではない。単にムダがないというだけだ。
組み合わせるスピーカーによっては、節電モードや省電力モードが影響して、未使用のまま時間が経過するとスピーカーの電源がオフになるケースがあるようだ。筆者の環境では特に問題なかったが、これは実用上大きなハンデで、対処方法も考えにくい。手持ちのスピーカーがこういったモードを備えオフにできないようであれば、素直に買い替えた方がいいだろう。
以上ざっと使ってみたが、好みのスピーカーが使えるというだけでなく、すでに敷設済みのスピーカーをそのままAlexa端末として使えるというのは利点だ。手元に余っている古いスピーカーを再利用するというのも手だろう。
マイク部とスピーカー部が分離していることから、スピーカーを棚に設置した状態で、本体だけを手元に置いて使うようにすれば、部屋もスッキリと見え、また本体にあたるマイク部を限りなく手元に置けることから、結果的に聞き取りの精度も上がる。スピーカー一体型のEchoではできない、本製品ならではのアドバンテージといえる。
スピーカーを接続する代わりに、イヤフォンやヘッドフォンを接続すれば、スピーカーレスで使うこともできてしまう。Bluetoothスピーカーに対応することも踏まえて考えると、アイデア次第で活用方法はまだまだありそうだ。
何より価格は税込み2980円と安価なことから、導入のハードルは非常に低い。Echoデバイスの購入を迷っていた人にとっては、新しい選択肢の1つとなるだろうし、好みのスピーカーを使いたい人にとっては、利用中のEchoデバイスからあえて買い替える選択もありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.