Amazonの音声アシスタント「Alexa」に、待望の「会話継続モード」が搭載された。これは英語版でフォローアップ・モードと呼ばれていた機能で、ウェイクワードを繰り返さずに、複数の音声コマンドを連続して認識できる機能だ。約9カ月遅れで日本版にも実装されたこの機能を早速試してみた。
会話継続モードの使い方は至って簡単で、Alexaアプリで該当のEchoデバイスの設定画面を開き、「会話継続モード」をオンにするだけだ。確認した限りでは、従来のEchoから最新のEcho Showに至るまで、幅広く対応しているようだ。
では実際に使ってみよう。普段通り「アレクサ、○○して」とEchoデバイスに呼び掛けると、その処理が実行される。通常であれば、動作完了後にLEDリングが消灯するところだが、この会話継続モードをオンにしていると、LEDが点灯したままの状態になる。
この間であれば、ウェイクワードなしでも次の音声コマンドが受け付けられる。「アレクサ、○○して」ではなく「○○して」だけで済むというわけだ。
LEDは延々と点灯したままになるわけではなく、5秒程度で消える他、「ストップ」「サンキュー」などの指示ですぐに終了させることもできる。そのため、無意識に何らかの操作をしてしまったり、第三者に何らかの命令を勝手に実行されたりするようなトラブルは、まず考えにくい。
連続して処理できる音声コマンドの数に制限はないようで、試した限りでは30個ほどの音声コマンドを連続して処理することができた。また時間の制約もないようで、例えば計算問題などを延々と尋ねるといったことも可能だ。
ただし、Alexaが長い返答を返した直後などは、LEDが点灯したままにならないことがあった。具体的には、ニュースの読み上げが終わった直後、次の命令をしようとした瞬間にはもうLEDが消灯していた。直前に実行していた操作によって、無効になるケースがあるのかもしれないが、詳細は不明だ。
会話継続モードを試してみると、ウェイクワードがないだけでこんなにも自然な会話ができるようになるのかと感心させられる。何秒間有効にしておくかという問題はあるものの、音声アシスタントとの掛け合いという意味では、これが理想の形だろう。オーナーの声を識別できる機能が加われば、さらに精度が上がるかもしれない。
なお、試してみた中でうまくいかなかったのが、Amazon Musicでリクエストとは異なる曲が再生され始めた場合にストップする操作だ。「これは違う曲だ」と判断して「ストップ」と声を掛けるまでに、LEDが消灯してしまうのだ。ヘルプを見ると、どうやらオーディオ再生中は無効になる仕様らしい。
元々、Amazon Echoに連続して話し掛ける必要性が最も高いのは、直前の操作を取り消すケースではないかと考えられる。そうした意味で、このオーディオ再生を含め、取り消し操作がスムーズに行えるようになれば、重宝されるケースが増えるはず。現時点でも十分に便利な機能だと感じたが、今後のさらなる進化にも期待したいところだ。
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