コラム
» 2019年10月29日 07時30分 公開

tsumug.edge:エストニアに住む日本人が見た、既にロボット配達が展開中の今 (1/3)

「電子国家」として世界の注目を集めている北欧のエストニア。その実態について、エストニアに移住した筆者が見た電子国家のリアルをお届けする。

[tsumug edge]

 北欧に位置するエストニアは、「電子国家」として世界の注目を集めている。しかし、実際の生活がテクノロジーでどのように変化しているのか、その実態は不明な部分も多い。エストニアに移住した筆者が見る、電子国家のリアルを紹介していく。

この記事について

この記事は、オウンドメディア「tsumug.edge」からの転載です。

tsumug.edgeとは

万物があらゆるサービスとつながるコネクティッドな世界では、物理的なものや場所といった制限がなくなります。tsumug.edgeは、そんなコネクティッドな未来を紹介するメディアです。

筆者紹介:高木泰弘

セントラルオクラホマ大学マーケティング専攻。リクルートを経てコワーキングスペースsharebase.InCを創業。現在はWCSの取締役CFOとしてエストニアと日本を拠点に活動中。


Starship Technologiesが開発するロボット

「人には届けたい思いがある。届かなくていい手紙なんて、ないのだ」

 2018年の個人的ベストアニメは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」だった。退役軍人の彼女は両腕を義手にし、銃の代わりにタイプライターを持ってさまざまな人の思いを代筆する「自動手記人形」と呼ばれる仕事をしていた。

 心をなくした彼女が、手紙を代筆するにつれて、人の気持ち、自分の気持ちを知っていく、その先に上記のようなことを言うものだから、ここは号泣ポイントだ。時間がない方は是非10話だけでもいいから見てほしい。

届かない荷物

 さて、実際には日本に暮らす僕たちの荷物はなかなか届かない。日本での最近の問題は、届ける側より受け取る側にある。人が家に滞在する時間が昔と比べて減っているのか、単に運ぶものが多いのか、配達員も受取人も、不在票に右往左往させられる。

 僕もネットショップを多用しており、不在票をもらっては「受け取る時間を調整しなきゃ」と思いながら、なんだか後回しになり、何回も配達員の方を訪問させるという悪魔のようなことをしている。悪気があるわけではもちろんない。

 この間は、当社の日本のイベントに来たスペイン人の荷物(人間の大きさほどあるダンボール)を彼の家に送ったところ、不在だったらしく日本にまた戻ってきた。このダンボールがたどった道のり、ドラマ、配達員のいら立ち、そしてコストのことを考えると憂鬱(ゆううつ)になる。

 2017年度は、日本での宅配便取り扱い個数は42億5100万個で、2013年度に比べると6億個も増えている。その内、ヤマト運輸は18億個も扱っているというのだから、悲鳴をあげるのも無理はない。僕のような受け取らない輩がいれば、怒りも湧こう。1985年度(4億9300万個)と比べると約10倍。経済成長が止まっても、物流量はかなり勢いよく増えている。

 日本はこのままだと、どうなってしまうのだろうか、ヤマト運輸を始め、各物流会社の職場環境がよくなることは果たしてあるのだろうか。スマートフォンでメッセージを受け取るくらいの気持ちで荷物を受け取れる日はくるのだろうか。前置きが長くなってしまったが、エストニアに見る未来の物流に関して触れてみたいと思う。

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