新「iPad Pro」はどこまでパソコンに近づいたのか 2020年モデルをいち早く試した:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/4 ページ)

» 2020年03月24日 21時30分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 約1年半ぶりにモデルチェンジとなった「iPad Pro」の話題は、大きく3つに分けて考える必要がある。Appleは新型iPad Proを導入するにあたり、「本体のハードウェアを更新」しただけでなく、同時に「iPadOS 13.4をリリース」し、さらに新たな周辺機器として「トラックパッドを装備したカバー兼キーボードのMagic Keyboardを発表」した。

ipad pro 新しい「iPad Pro」の12.9型モデル。装着しているカバー兼キーボードは「Smart Keyboard Folio」だ

 このうちMagic Keyboardは5月の発売となっており、筆者も商品のある程度のディテールについては把握しているが、現物の確認はしてない。つまり、現時点で評価できるのは新しいハードウェアと、全てのiPadで利用できるiPadOS 13.4ということになる。

 なお、Magic Keyboardはカメラが1つだけの前モデルとも互換性があるため、もし手持ちのiPad Pro(前モデル)に不満がないならば、まずは最新OSに更新した後、Magic Keyboardの登場を待つといい。

ipad pro 新たにトラックパッドを搭載したカバー兼キーボードの「Magic Keyboard」は5月発売の予定。キーボードはバックライト付き

 読者にはパソコンを主に使っている方も多いと思うが、新しいiPadOSとMagic Keyboardの組み合わせは、ノートPCの代わりに利用しようと決意させるだけの用意周到な仕掛けが施されている。

 少なくとも筆者は、普段使っている「MacBook Pro」から持ち替えたとしても、そのまま違和感なく仕事をこなせるという確信を持った。しかも動画やカメラ現像などのメディア処理に関して言うならば、iPad Proはポータブルコンピュータの中でも、最もパワフルな製品の1つだ。

 従来のマルチウィンドウシステムによる自由な使い心地を選ぶのか、パソコン的な使い方へと寄せてきたiPad Proのどちらを選ぶのか、大いに頭を悩ますことになるだろう。

 ここでは12.9型モデル(1TBストレージ)のレビューも含め、新型iPad Proのインプレッションをお伝えしたい。

ハードウェアは「最適化」と「低価格化」、それに「新機軸」

 新しいiPad Proを使ってみた最初の感想は「従来機とほとんど変わらない」というものだ。もちろん、後述するように新しいカメラ(「Proのカメラ」と呼称されている)や光距離センサー(LiDAR)の装備といったトピックはある。

 しかし、P3準拠で600nitsの輝度がある「Liquid Retinaディスプレイ」や、縦横どちらでも豊かなステレオ体験が得られる4スピーカーのサウンドシステム、「Face ID」対応のToFセンサー付きインカメラ、極めて軽量で薄いボディー設計、追従性の高い「Apple Pencil」のスキャンレートなど、従来の特徴はそのまま引き継がれており、パフォーマンスに関しても体感上は有意な差はない。

ipad pro iPad Pro(12.9型)の新旧モデル。ディスプレイ側の見た目は変わらない
ipad pro ひっくり返すと違いは明らか。カメラ部分が強化された右が新モデル

 これはカバー兼キーボードの「Smart Keyboard Folio」(新モデル用はAppleマークのエンボスが加えられた他、黒に近いダークグレーになった)も同じで、カメラ部の切り欠きが変化してはいるが、旧モデルとタッチは同じで使い勝手も同一。重量もほとんど同じ(12.9型用で400g+α程度)だ。

 Smart Keyboard Folioのほんの少しの色の違いを除くと、どちらを使っているのか、時折分からなくなってしまうほど体験レベルは同じだ。もし新しい二眼カメラやLiDARが必要ないならば、前モデルのオーナーは買い替える必要はない。

ipad pro Smart Keyboard Folioは少しだけ見た目が変わったが、カバーやキーボードの使い勝手は従来通り

 一方、これからiPad Proの購入を検討している人にとっては、カメラやLiDARといった要素より何よりも、購入しやすい価格になっていることの方が大きい。これはフラッシュメモリの価格が下がったからだ。「MacBook Air」もSSDの価格が下がっていたが、iPad Proにおいても各容量の価格が引き下げられている。

 つまり、これまで迷っていた人にとっては、まさに「買い時」が来たということだ。

ipad proipad pro 左が新モデル、右が旧モデルのアウトカメラで撮り比べた写真サンプル。画質の差は見られない
ipad proipad pro 左が新モデル、右が旧モデルのアウトカメラで撮り比べた写真サンプル。こちらも同様で画質の差は見られない
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月07日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  5. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  6. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  7. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  8. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  9. エイサー、フルHD×2面表示が可能な折りたたみ式15.6型/23.8型デュアルモバイルディスプレイ (2026年11月05日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー