新「iPad Pro」はどこまでパソコンに近づいたのか 2020年モデルをいち早く試した本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

» 2020年03月24日 21時30分 公開
[本田雅一ITmedia]
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iPadのよさを生かしながら、よりパソコン寄りに

 あらためてiPad Proを使ってみて感じたのは、そのパフォーマンスのよさだ。とりわけ動画の書き出し速度は、我が家で愛用しているCoffee Lake(開発コード名)搭載の13インチMacBook Pro(2018)の2倍ぐらいのスピードだ。

 テストは12.9型で行ったが、11型であればより軽量だ。筆者はディスプレイの大きな12.9型が好みだが、どちらを選んでも同等のパフォーマンスが選べる自由もある。

 これだけのコンパクトボディーで、ここまでパワフルならば、MacBook Proだけで作業する環境から、デスクトップのMac環境+iPad Proに切り替えたいと思う方もいるだろう。過去に何度か「iPadで十分かも?」と思いつつ、なかなか移行できなかったが、OSと周辺機器を同時にアップデートして汎用(はんよう)的なパソコンとしての使い勝手を上げてきた結果を評価するのが今から楽しみだ。

 ただし、OSがiPhoneと同じiOSからiPad専用のiPadOSに変更されてから、まだ1年も経過していない。それ以前からiPad向けに画面分割などの機能を組み込んできていたが、アプリの対応が追い付いているかといえば、まだ不足している要素はある。

 例えばAdobeのクリエイター向けツールは、「Lightroom」がiPad ProではApple Pencilとの組み合わせもあって使いやすい他、「Photoshop」のフル機能版がiPadOS向けに提供されはじめたものの、動画系はPremier Rushのみで安定性にもやや欠ける。Microsoftの「Office」も、大多数の機能は利用可能だがフル機能ではない。

 Apple自身、iPad Proはプロ向けにも使えるとしていながら、「Final Cut Pro」や「Logic Pro」といったプロクリエイター向けツールのiPad版はまだ出せていない。初代iPad Proが出た後には、iPad用の「iWork」がアップデートされたが、ここまで作り込んだならば、AppleのMac向けクリエイター用ツールもiPad Proでガンガン動いてほしいものだ。

 アプリ環境の整備が進めば、iPad Proの適応範囲はさらに広がっていくだろう。

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