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» 2019年04月10日 07時00分 公開

本田雅一のクロスオーバーデジタル:復活した「iPad mini」がスマホ選びの新基準になり得る理由 (1/3)

3年半ぶりに復活した「iPad mini」。新しい第5世代のiPad miniは、そのサイズ感の程よさから「都市生活向けタブレット」として使いやすいだけではなく、今後のスマートフォン選びにも影響する、そんな製品になるのかもしれない。

[本田雅一,ITmedia]

 米Appleが3月18日(現地時間)に新しい「iPad mini」(第3世代)と「iPad Air」(第5世代)を発表した際、「iPadの新製品は次に向けての布石ではないか?」とコラムで書かせていただいた。

 そして翌週になると、一連のサービス事業のアナウンス。「Apple Card」が日本でいつ始まるのかは予想もできないが、iPadの新ラインアップと発表されたサービスの間には、「なるほど」と思わせる整合性もあり、Appleが個々の製品の「機能」を高めることを主眼として製品やサービスを設計しているのではなく、プラットフォームとして質の高いコンテンツやアプリがオーガニックに育つ環境を作ろうとしていることが垣間見えた。

 いよいよ6月の開発者会議「WWDC19」が楽しみになってきたが、新iPad mini、新iPad Airを、2018年末にリニューアルされた「iPad Pro」と並べた上で試用してみると(Appleの意図と合致しているわけではないだろうが)、また違った側面も感じられた。

iPad mini 3年半ぶりの復活となった「iPad mini」。第5世代のモデルにあたる

初代iPad mini誕生の背景を思い出す

iPad mini 2012年10月の発表会で初代「iPad mini」を披露した米Appleのフィル・シラー氏

 初代iPad miniが発表されたのは2012年10月23日(現地時間)。筆者が初めて参加したApple Special Eventだったこともあり、当時のことは明確に記憶している。

 このときティム・クックCEOは、iPad miniに関して2つの話をした。1つ目はタブレット端末からのWebアクセスの統計において、iPadからのアクセスが91%を占めていること(Windowsタブレットなども入り乱れた現在では、この数字が大きな意味を持つわけではない)、2つ目は27万5000本のアプリがiPadが搭載するディスプレイの「4:3」縦横比に最適化されていることである。

 なお、iPad向けに画面をデザインされたアプリの数は、2017年時点で75万5000本。iPad Proの最新型が登場した後もディスプレイの縦横比は維持されている。

 なぜこれらの数字を披露したのか。

 当時の取材メモを見ると「4:3という縦横比に意味がある」というクックCEOの主張が強調されていた。もともとWebサイトを閲覧するために適した端末として設計されたiPadは、意図して4:3という縦横比を選んでいた。なぜなら縦位置(3:4)でも、横位置(4:3)でもパソコン向けにデザインされたWebサイトを閲覧しやすいからだ。

 当時、低価格なことから多くの数が売れていた小型Androidタブレット「Nexus 7」は16:10のディスプレイを採用していたが、縦位置にすると文字が小さくなりすぎ、横位置にすると見通しが悪くなりすぎる。こうしたことから、「4:3はWebへのアクセスで最も使いやすい」とプレゼンしていた。

 そして、そんなiPadの画面アスペクト比に対応したアプリがこれだけ多く出され、それぞれに最適なユーザーインタフェースを提供しているのだから、大きくこれを変える必要はないのだ。そうクックCEOは話していた。

あらためて感じるiPad miniの存在意義

 かつてiPad miniは毎年のようにアップデートが繰り返されたものの、「iPhone 6」シリーズ向けに開発された「Apple A8」プロセッサを搭載する「iPad mini 4」(第4世代)を2015年9月に発表してからは新製品が投入されずにいた。

 理由の1つには、Webへのアクセスやコンテンツを楽しむ道具として、A8でも十分なパフォーマンスが得られていたこともあるのだろう。しかし、新製品が発表されない時期が続くと、製品ラインアップは「古いもの」として扱われ、選びにくい製品になっていくものだ。

 実は、初代iPad miniを購入して以降、久々に手にしたiPad miniが今回の第5世代モデルだったが、あらためて使ってみると2012年当時と現在では、ほぼ同じフォルムをまとう製品ながらも、全く異なる感覚を覚えた。

iPad mini 左が新型のiPad mini(第5世代)、右が2015年発売の「iPad mini 4」。見た目はほぼ変わらない。新型iPad miniの画面が赤っぽく表示されているのは、環境に合わせてホワイトバランスを調整する「True Tone」機能のため

 当時のiPad miniは、その名前の印象と全く同じ。コンパクトで軽量なiPadに他ならなかった。2012年9月発売の「iPhone 5」はディスプレイが4型。既にAndroid端末はディスプレイ大型化の傾向がみられたものの、Appleは縦横比を変えて縦にサイズを伸ばすにとどめていた。

 しかし、今やiPhoneの現行モデルは5.8型〜6.5型まで大型化し、iPad miniのサイズに近づきつつある。ただ、各製品を並べてみると、6.5型の「iPhone XS Max」は、さすがにiPad miniの7.9型よりかなり小さい。新しいiPad miniは、そのサイズ感の程よさから「都市生活向けタブレット」として使いやすいだけではなく、今後のスマートフォン選びにも影響する、そんな製品になるかもしれない。

iPad mini 7.9型のiPad mini(左)と6.5型のiPhone XS Max(右)を並べてみた。写真は同じWebサイトを表示しているが、縦横比が3:4のiPad miniはPC用のWebページを大きな問題なく閲覧できる一方、19.5:1と縦長のiPhone XS Maxは情報量が限られたスマートフォン用のWebページでの閲覧が基本となる
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