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» 2020年09月02日 03時30分 公開

新アーキテクチャ「Ampere」採用:NVIDIAが「GeForce RTX 30シリーズ」を発表 8K DLSS対応の「GeForce RTX 3090」など3製品を順次投入

NVIDIAが、リアルタイムレイトレーシング対応GPUの新世代製品を発表した。先代の発売当初の価格をキープしつつ、性能を大幅に引き上げたことが特徴だ。

[井上翔,ITmedia]

 NVIDIAは9月1日(米国太平洋夏時間)、新アーキテクチャを採用するGPU「GeForce RTX 30シリーズ」を発表した。米国における想定販売価格は499ドル(約5万3000円)からで、9月17日から順次発売される予定だ。日本における想定販売価格は別記事でまとめている。

ファミリー GeForce 30シリーズ
ジェンセン・ ファンCEO シリーズの最上位「GeForce RTX 3090」を手にするジェンセン・ ファンCEO

新アーキテクチャ「Ampere」

 GeForce RTX 30シリーズでは、従来の「Turing」に代わる「Ampere(アンペア)」という新しいGPUアーキテクチャを採用している。

 Ampereアーキテクチャでは、シェーダーの処理能力が最大30TFLOPS(従来比2.7倍)、レイトレーシングコアの処理能力が58TFLOPS(同1.7倍)、テンサー(AI処理)コアの処理能力が238TFLOPS(同2.7倍)と、Turingアーキテクチャから大幅な性能向上が図られた。

 トランジスタはSamsung Electronics製の8nmプロセスで作られ、グラフィックスメモリはMicron製のGDDR6Xメモリを採用している。そのハイパフォーマンスを生かすため、接続インタフェースはPCI Express 4.0に対応する。

Ampererコア RTXの第2世代を担うAmpereアーキテクチャの特徴
Ampererコア 今回発表されるGeForce RTX30シリーズのスペック(画像の数値はGeForce RTX 3080のもの)
ベンチマーク 主要なゲームを4K(3840×2160ピクセル)でプレイした場合のパフォーマンスの比較。最大で2倍程度の改善が図れるという(GeForce RTX 2080対GeForce RTX 3080)

新製品は3つ

 今回発表されたGeForce RTX 30シリーズは、新しいフラグシップモデルという位置付けの「GeForce RTX 3080」、スペックを多少抑えて価格を下げた「GeForce RTX 3070」と、8K解像度(7680×4320ピクセル)のDLSS(※)に対応する超ハイエンド「GeForce RTX 3090」の計3製品となる。スペックを簡単に紹介する。

(※)テンサーコアを利用したフレームレート向上技術

GeForce RTX 3080(9月17日発売予定)

 GeForce RTX 3080は「GeForce RTX 2080と同じ価格で2倍の性能」が特徴だ。想定販売価格は699ドル(約7万4000円)からで、9月17日に発売される。

GeForce RTX 3080 GeForce RTX 3080

 主なスペックは以下の通り。

  • シェーダー処理能力:30TFLOPS
  • レイトレーシングコア処理能力:58TFLOPS
  • テンサーコア処理能力:238TFLOPS
  • グラフィックスメモリ:10GB GDDR6X
  • 消費電力:320W
リファレンスカード リファレンスカードのファンは、エアフローを改善し、最大で30%の冷却効率向上を果たしつつ、最大で3倍の静音化を果たしたという
リファレンスカード リファレンスカードの基板は、18フェーズの電源ながらコンパクトに仕上がっている

GeForce RTX 3070(10月発売予定)

 GeForce RTX 3070は「GeForce RTX 2080Tiよりも高速」であることがウリで、想定販売価格は499ドル(約5万3000円)からとなる。発売予定は10月で、今回発表された製品の中ではやや遅れて登場する。

GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3070

 主なスペックは以下の通り。

  • シェーダー処理能力:20TFLOPS
  • レイトレーシングコア処理能力:40TFLOPS
  • テンサーコア処理能力:163TFLOPS
  • グラフィックスメモリ:8GB GDDR6X
  • 消費電力:220W

GeForce RTX 3090(9月24日発売)

 GeForce RTX 3090は「BFGPU(猛獣のどう猛さを持つGPU)」かつ「世界初の8KゲーミングGPU」という位置付けで、「TITAN RTX」の後継を担うモデルだ。想定販売価格は1499ドル(約16万円)からで、9月24日に発売される。

GeForce RTX 3090 GeForce RTX 3090
GeForce RTX 3090 先述の通り、8K解像度でDLSSを有効化できるほどのスペックを持つ

 主なスペックは以下の通り。

  • シェーダー処理能力:36TFLOPS
  • レイトレーシングコア処理能力:69TFLOPS
  • テンサーコア処理能力:285TFLOPS
  • グラフィックスメモリ:24GB GDDR6X
  • 消費電力:350W

 非常にスペックが高いこともあり、カードのサイズも非常に大きい。スロットは3つ分必要で、それなりに奥行きのあるケースでないと収納できないものと思われる。

巨大 GeForce RTX 3090のリファレンスカードは、従来のグラフィックスカードの常識を覆すような分厚さを持つ。搭載できるPCの“ハードル”はかなり高そうに見える

CPUを介さずにデータを読み出せる「RTX IO」

 GeForce RTX 30シリーズは、NVMeストレージ(SSD)上にあるデータをCPUを介さずに読み出せる「RTX IO」という技術に対応している。

 通常、ゲームのグラフィックスデータは「ストレージ→コントローラー→PCI Expressバス→CPU→メインメモリ→CPU→PCI Expressバス→GPU→グラフィックスメモリ」という経路で流れる。しかし、ゲームのグラフィックスデータが大容量化すると、たとえデータを圧縮したとしても量が膨大となり、CPUやメインメモリに負荷が掛かってしまう。これがボトルネックとなり、ゲームのパフォーマンスが低下してしまう可能性がある。

 そこでRTX IOでは、Microsoftが用意した「DirectStorage for Windows」を活用し、NVMeストレージに格納されたデータをCPUやメインメモリをバイパスして読み出せるようにした。これにより、CPUの負荷が最大20分の1に軽減され、実効読み出し速度も最大100倍になるという。

RTX IO GeForce RTX 30シリーズはNVMeストレージのデータを直接読み出せる「RTX IO」に対応

G-SYNCは「360Hz」に

 その他、GeForce RTX 30シリーズでは「NVIDIA G-SYNC」における最大リフレッシュレートを360Hzに引き上げている。対応ディスプレイでは、マウスのレイテンシー(遅延)をチェックする機能も提供される。

 360Hz対応ディスプレイは、Acer、Dell(Alienwareブランド)、ASUS、MSIから登場する予定だ。

G-SYNC G-SYNCは最大360Hzに

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