PCやスマホ/タブレットをはじめとするIT系のデバイスは、メーカーごとに年間を通じての発売時期はおおむね固定されており、大きくずれることはない。しかし2020年は新型コロナウイルスの影響もあってか、例年に比べて発売が遅れたり、あるいは後継品の発売が見送られたりするケースも中には見られた。
発売に至った製品は、そのぶん作り込みに時間をかけられたのか、秋口以降は各社ともにかなりの力作が多かったように思う。毎年秋口をめどにいったん製品をリストアップしている本記事も、2020年は年末にかけての入れ替えが非常に多かった。買う側としても、限られた予算をどうつぎ込むか、例年以上に悩んだ人も多かったのではないだろうか。
今回はビジネスユースでも使える個人向けデバイス、つまりBYOD(Bring Your Own Device:私的デバイスの業務利用)に該当する製品を中心に、筆者が購入した中でベスト5の製品をチョイスしている。ありきたりにならないよう若干範囲を広げ、レアな製品も入れるようにしている。製品選びの参考になると幸いだ。
2020年を代表するスマホを挙げる時、iPhone 12 miniは欠かせない1台と言っていいだろう。従来の初代iPhone SEやiPhone 5sに匹敵する5.4型の小型サイズながら全画面デザインを採用、かつ他のiPhone 12シリーズと同じく最新のA14 Bionicチップを搭載するなど、パフォーマンスも遜色がない。小型のスマホを愛用するユーザーにとって、文句なしの仕上がりだ。
実際に使っていて多少気になるのは、ノッチと呼ばれる画面上部の出っ張りが、他のiPhone 12と同じであるせいで、相対的に左右の表示スペースが狭く、時刻やアンテナ、バッテリーを表示するピクトが小さいこと、また指紋認証が省略されているため、マスクをしている外出先ではパスワードによるロックが必須となることが挙げられる。
とはいえ、このボディーサイズにして大画面という特徴は圧倒的で、春先に発売された第2世代iPhone SEが完全にかすんでしまうほどだ。今後、この小型路線がどのように続いていくかは分からないが、小型軽量のスマホを愛用する筆者としては、長らく続いてほしいシリーズだ。できれば望遠レンズも追加してくれれば言うことはない。
余談だが、筆者が本製品を使っていてよくやらかすのが、ホーム画面に戻ろうとして、Touch IDが本来ある画面下部を無意識にグッと押し込むことだ。このボディーサイズでTouch ID非搭載のiPhoneは初ということで、癖が抜けきらないのである。無意識下のちょっとした行動とはいえ、ある意味で本製品の特徴を、端的に表していると言えるのかもしれない。
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