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» 2021年11月26日 08時00分 公開

ネットショップのセールに潜む「ニセ特価品」という闇 高い割引率を装う手口とは牧ノブユキの「ワークアラウンド」(1/2 ページ)

ネットショップの特価セールは、家電量販店のチラシセールと違ってメーカーの意図が強く反映されており、必ずしもお得でないこともある。また海外業者の中には、実際には安くなっていない品を、さもセールに合わせて値下げしたように見せかけて売っている場合もある。今回はこうした裏事情をみていこう。

[牧ノブユキ,ITmedia]
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 毎年暮れになると、さまざまなネットショップで特価セールが行われる。ここ数年はブラックフライデーに合わせて大規模なセールを開催する例も増えており、今年も大きな盛り上がりをみせるのは必至だ。

 もっともこうしたネットショップの特価セールは、家電量販店のチラシセールと違って、メーカーの意図が強く反映されており、必ずしもお得でないこともしばしばだ。また海外業者の中には、実際には安くなっていない品を、さもセールに合わせて値下げしたように見せかけて売るテクニックを用いている場合も多い。

 今回は、主にPC関連の周辺機器やアクセサリーを対象とした、ネットショップにおける特価セールの裏側をみていこう。

ネットショップの大幅割引には裏がある?

 家電量販店で特価セールが行われる場合は、チラシで告知されることがしばしばだ。このチラシに載る商材は、家電量販店側の意向が大きく反映されている。

 つまり、家電量販店の側から、「この製品をこの条件で何台チラシ商材として使いたい」という指定があり、メーカーがそれに従っているわけである。もちろん「これはいくらまで下げられる? 台数は10台なら用意できる?」といった最低限の下交渉はあるにはあるが、家電量販店側が打診することで話がスタートすることに変わりはない。

 こうしたチラシ商材の目的は主に集客であり、メーカー側からするとおそろしく薄利の場合が多く、決してオイシイ話ではないが、家電量販店側からの打診を断ってしまうとその話がライバルメーカーにそのまま持ち込まれ、次に声をかけられなくなる恐れがある。さらに定番製品が棚から外されかねないとなると、従わざるを得ないのが現状だ。

 一方、ネットショップの特価セールは、これらとは少し状況が違っている。目玉となる商材を用意したところで、ネットでは瞬殺されるのがオチで、しかもピンポイントでそれだけが売れるので、家電量販店でいうところの集客効果はほぼ期待できない。そもそもネットショップ側の知名度でほぼ決まるので、メーカーができることはほとんどない。大幅割引の商材を用意する必要自体がないのだ。

 そうした事情もあり、ネットショップにおける特価セールでは、メーカー自ら、売れると都合のよい製品を選定することが多い。具体的には、メーカーの倉庫を圧迫している過剰在庫品や、型落ちによって量販店の定番から外れた製品がそれに当たる。

 特に海外から仕入れを行っているPCの周辺機器やアクセサリーは、ロットの関係で、通常のルートでさばくのが難しい数量を仕入れなくてはいけない場合があり、ネットでのセールはこれらをまとめて処分するのに最適だ。在庫をなくして倉庫代を払わないようにするのが目的なので、採算ギリギリの値段が付けられることが多い。

 ただし、まだ家電量販店の定番に入っている製品でこれをやると、ネットショップ上でのセールを見た家電量販店のバイヤーからクレームがついて、店頭在庫分の補てんを払わされる事態に発展しかねないので、定番から外れたタイミングで行うのが常だ。現行品でありつつ家電量販店の定番に影響を与えないように製品を選定するのは、メーカーにとってはかなり気を使う作業である。

 もう一つ、こうした特価セールの常連となるのは型落ち品だ。後継の新製品が発売されたことで旧製品になってしまったモデルを、こうしたセール時に格安で処分するわけである。ごくまれにセールの方が先行し、終わった途端に新製品が出てきてユーザーがじだんだを踏むことになったりするのは、多くの人がご存じの通りだ。「なるほどアレがそうか」とピンと来る人もいるだろう。

 いずれにせよメーカーにとっては、こうしたセールは、いびつになっている在庫をうまく地ならしするための格好の機会だ。もちろん毎年決まった時期にこうしたセールが行われている以上、売り上げを確保するために通常製品も多少の割引は行うが、黙っていても引っ張りだこの売れ筋製品を、半額にして売ろうなどというメーカーはいない。逆に言うと、そこまで値引きされている製品があれば、それは必ず裏があることになる。

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