2022年は、初代iPhoneの衝撃的デビューから15周年を迎える年だ。満を持して登場した「iPhone 14」は、これまでのiPhoneの集大成とも言えるべき魅力が凝縮され、誰もが満足できる仕上がりになっている。新たに見やすい大画面の「iPhone 14 Plus」も加わり、大きさが選べることも魅力の1つだ。
ただ今回はProシリーズに、これまでのiPhoneのあり方に一石を投じる面白い機能が満載されている。本稿ではまずiPhoneのこれからの方向性を予見させるProモデルの特徴を検証し、iPhone 14に関してはPlusモデルの登場に合わせて改めて取り上げたい。
iPhoneで急ぎのメールの返信を終え、本体のサイドボタンを押してホッと一息。でも、いつもと何かが違う。iPhoneの画面は暗くなるけれど、点灯したままだ。
「常時表示ディスプレイ」、つまりiPhoneがスリープ中も消灯しないディスプレイは、iPhone 14 Pro/Pro Maxで最大の特徴だ。しかし、慣れるまでは少し戸惑いを覚えることもある。
既にApple Watchでは採用されていたが、勝手に画面がオン/オフするApple Watchと異なり、iPhoneでは15年前からユーザーが節電のため、あるいは用事が終わった後に一区切りをつける自然な所作として、サイドボタンを押して画面が消えるのを確認してから机に置いたり、ポケットやカバンにしまったりしていた。それなのに、新しいiPhone 14 Proシリーズでは、その画面が点灯したままなのだ。
少し暗くなった画面には、iOS 16で進化したロック画面が表示される。カスタマイズして必要ならば次の予定や天気、バッテリー残量や株価などの情報を表示できる新ロック画面だ。
最近のProシリーズは、ゲームなど動きの激しい映像を表示するときは毎秒120回、映画を観るときは毎秒24コマと、画面の描き変え頻度が可変のProMotionディスプレイを採用しているが、この画面が暗い状態では、節電効果をあげるべく1秒当たりの書き換え回数を10回にまで落としている。そこまで頻繁に変わらない時刻や天気、株価、バッテリー残量を表示するには十分な描き変え速度であり、画面がつきっぱなしであるにも関わらず新iPhone Proのバッテリー動作時間に一切影響を与えない絶妙な書き換え速度といえる。
この「常時ディスプレイ」で、もう1つ感動したのが夜寝る時だ。ロック画面の状態では既に画面全体が暗くなっているが、それでも光を放っている以上、ベッドサイドで充電していると気になってしまう。
しかし、ベッドルームの電気を消すと、それに合わせて画面の明るさがもう1段暗くなり、ほとんど気にならない絶妙な状態になるのだ。ちなみにこれまでのiPhoneは環境光センサーが本体の正面にしかなかったがiPhone 14 Pro/Pro Maxでは背面にもう1つセンサーが加わり、周囲の光に合わせた自動明るさ調整がより正確に行えるようになっている。
新しいiPhone 14 Proシリーズのディスプレイは、上品に暗くなるだけが自慢ではない。見やすさが自慢のiPhoneのディスプレイでも、どうしても見えづらかった天気がいい日のアウトドアでは、スマートフォン史上最も明るい2000ニトの明るさで画面が灯る。従来のiPhoneの倍の明るさだ。
通常の室内での利用でも明るさ調整での最大輝度が1600ニトと、これまでのiPhone Proシリーズより33%明るくなり、明暗差の大きな写真や映像をより美しく再現してくれる。
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