iPhone 14 Proと14 Pro Max発売! 新しいスタートラインを迎える15周年を迎えたiPhone(2/3 ページ)

» 2022年09月14日 22時00分 公開
[林信行ITmedia]

ハードとソフトが見事に融合した心地よい「Dynamic Island」

iPhone 14 Pro/Pro Maxのノッチを、システム通知や継続動作中アプリのステータス機能に昇華した「Dynamic Island」機能。アニメーションの動きがなんとも心地よく、ついつい触ってしまう

 新しいiPhone Proシリーズで、もう1つ圧倒的な注目を集めているのがDynamic Island(ダイナミックアイランド)という新機能だ。画面を本体いっぱいに広げた昨今のスマートフォンにはつきものの、フロントカメラなどを収めた画面上の「ノッチ」と呼ばれる黒いエリア。これまでAppleは、このノッチが問題にならないように、そして使用中できるだけ気にならないようにさまざまな機能を加えていた。

 それに対してDynamic Islandは逆転の発想で、むしろ楽しくてついついノッチを触りたくなる機能に昇華させている。このDynamic Islandを持つiPhone 14 Pro/Pro Maxユーザーだけが、再生中の音楽やカウントダウン中のタイマーなどバックグラウンドで動作を続ける2つ目、3つ目のアプリの状況を、このDynamic Islandの表示で確認できる。

 またAirDropでのファイルの受信や、Face IDによる支払いの承認といった処理を行った旨も、このDynamic Islandから飛び出てくる心が躍る楽しいアニメーション表示で確かめられる。

 iPhoneを使い始めた時、ウィンドウを端までスクロールした時の跳ね返るアニメーションが気持ち良くて、つい何度も跳ね返らせてしまった人は多いはずだ。Dynamic Islandのアニメーションには、それに通じる心地よさがある。

 Dynamic Islandに対応しているのは、主にNow Playingという技術を使った音楽再生系アプリ(Apple Musicだけでなく、SpotifyやYouTube Music、SoundCloudなど他社アプリも多く対応している)、CallKitという技術を使った着信表示、これも電話やFaceTimeなどのApple標準機能だけでなく、InstagramやSkypeなど他社製アプリも対応している。

 他にもタイマーの残り時間、AirDropで大きなファイルを受信中はその状況が表示されるし、Apple Mapでナビ中は矢印で次のターンの向きの矢印、ボイスメモの録音や画面録画中は経過時間といった継続中の機能、ApplePayでの支払いやFaceIDでのロック解除、マナーモードや機内モードのオン/オフ、さらにはカメラやマイクがオンになっていることを知らせるインジケーターもここに表示される。

 どこまでがセンサー類による影の部分で、どの部分はDynamic Islandのアニメーションのために画面上に表示された黒なのかが、ほとんど見分けがつかないのは有機ELディスプレイの採用ということもあるが、それ以上に本体部品の塗り色のインキを含めたハードウェアデザインからOSなどのソフト、さらにはこの滑らかな動きを実現しつつも他の動作に一切の影響を与えない強力なA16 Bionicプロセッサまで、全てを自分で作るメーカーだからこその機能だ。まさに、Appleの真骨頂とも言えるハードとソフトの見事な融合と言わざるを得ない。

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