番組内の出演者が苦笑しているように、命に関わる乗り物の操作をゲームコントローラーで行っていることに驚くかもしれないが、実はこうした例は全く珍しいことではない。
例えば航空機や宇宙船を手掛ける米Lockheed Martinは、2016年に米海軍の潜水艦の一部制御にXbox 360 コントローラーを用いることをテストしていると紹介していた。日本円で500万円を超えるほど高価で、操作が難しく、何時間も訓練が必要な、従来の潜望鏡向け操縦桿をゲームコントローラーに置き換えたところ、船員は訓練なしであっという間に制御できるようになったという。
他にも米The Washington Postは、イスラエル軍の次世代戦車の操縦にXbox 360 コントローラーを用いていると2020年に報じていた。また、ロシアの通信社SPUTNIKも、ロシア軍の新型戦車のステアリングにPlayStationのようなコントローラーを使っていると2015年に報じていた。
いずれもゲームに慣れた若い兵士に好評で、戦車内で大きなスペースを占めるステアリングホイールを省スペースにできるなど、メリットが大きいという。
もう少し身近なところでいえば、自動運転開発が代表例だ。ソフトバンク子会社BOLDLYは、自動運転バス「NAVYA ARMA」の手動運転時にXboxのゲームコントローラーを使っていることをWebサイトで紹介している。記者も展示会などで自動運転のデモカーの操縦にゲームコントローラーが用いられているところを何度も見たことがある。
ゲームコントローラーは入力装置として長年研究されてきたデバイスでもある。活躍の場はゲームだけにとどまらない。
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