今回の日本における発表会において、ゴ氏はサステナビリティー(持続可能性)への取り組みにも触れた。「パッケージからプラスチックを完全に排除する」ことを模索してきたBelkinは、パッケージに使用済みリサイクル素材を使用することを決めたという。
その一環として、消費者からプラスチック廃棄物を回収し、それを再利用したPCR(再生レジン)を活用して製品を生産する。同氏は「埋め立て地へ送られるはずのプラスチックを再利用し、新しいプラスチックへの依存を減らすことで、循環型経済に対応するための有意義な措置を講じる」と考えを述べた。
「当社のモバイルパワー関連製品で各製品を300個販売した場合、ペットボトル9850本に相当する使い捨てのプラスチックを削減できる。例えば、PCRを使用して製造された65WのUSB Type-C充電器なら、1個につきペットボトル3.5本相当のプラスチックを埋め立て処分から削減できる」(同氏)
パッケージや外装のリサイクルに関する取り組みに言及があった一方で、モバイルバッテリーの“中身”、つまりバッテリーセルの処分方法やリサイクル施策については特にアナウンスされなかった。
Belkinでアシスタントデジタルマーケティングマネージャーを務めるシュ・セイ氏によると、「米国ではバッテリーを回収する取り組みを行っているが、日本での展開は決まっていない」という。
モバイルバッテリーや携帯電話などが内蔵するリチウムイオンバッテリーは、家電量販店などが店頭に設置する「小型充電式電池リサイクルボックス」に投入すれば処分できる。このボックスでは、ニッケルカドミウム蓄電池、充電式ニッケル水素蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池なども回収対象となる。
しかし、このボックスはJBRCに加入している企業のバッテリーのみが回収対象で、11月7日時点においてBelkinは加盟していない。つまりBelkinのモバイルバッテリーはこのボックスで回収できないのだ。
一方、同業であるアンカー・ジャパンはJBRCに加入しているため、このボックスでバッテリーを回収してもらえる他、自社でも「Ankerモバイルバッテリー/ポータブル電源回収サービス」を提供している。故障や破損がなければ、何らかの形で使い古したポータブルバッテリーを回収してもらえる。かつては自社のモバイルバッテリーを指定箇所で回収したユーザーに対して、公式ストアで使えるクーポンを配布して買い換えを促す取り組みも行っていた(参考記事)。
Belkinは「こうした取り組みを日本で行う予定はない」という。Disneyとのコラボレーションも良いことだが、不燃ゴミとして廃棄することができないモバイルバッテリーの処分についても何らかの形で取り組むことに期待したい。
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