キーボード部について見ていこう。キー配列はUSタイプで、今回試用した12.9インチ用モデルについては、下5段の配列はMagic Keyboardと全く同じだ。キーごとに多少の幅の違いはあるが、US配列のMagic Keyboardとの差は意識せずに使える。
もともとMagic Keyboardの12.9インチモデルはキー配列に無理がなく、横幅が狭いなどおかしなキーもない。またキーピッチも約19mmと十分にあるので、入力していてストレスはない。US配列になじめるかだけの問題だ。
また本製品は最上段にもう一列、画面の明るさ調整や音量調整、メディアのコントロールやキーボードバックライトの調整を行うためのキー列が追加されている。これはMagic Keyboardにはない、本製品の強みということになる。キーボード上の配置はやや奥まった位置にあるが、タイピング時にiPadの縁に干渉することもない。
キーボード手前のトラックパッドについても、約10(幅)×5(高さ)cmと、純正のMagic Keyboardと同等のサイズがある。このあたり、Bluetooth接続であること以外は、とにかくMagic Keyboardに仕様を近づけて、場合によっては機能面で上回れるよう、設計に配慮していることが伝わってくる。
一方、実際に使っていて多少気になったのはマグネットの吸着力だ。Magic Keyboardでは、置き場所を移動させようとしてうっかりiPadの縁に手を掛けてしまい、パネルから外れてiPadが落下するというミスをやりがちだが、本製品はマグネットの吸着力がそれほど強くなく、こうしたうっかりミスによる落下が起こりやすい。
今回組み合わせた第5世代12.9インチiPad Proとの相性にもよるのかもしれないが(iPad Proは世代ごとにマグネットの位置が微妙に異なり、組み合わせによっては外れやすい場合がある)、iPadをキーボード面に落下させるとキーにダメージが加わるので気をつけたい。通常に使っていて不意に外れるほど吸着力が弱いわけではないが、注意するに越したことはない。
なお、バッテリーの残量はiPad本体側では確認できず、キーボード右手前にあるLEDのステータスでのみ判別が行える。LEDの個数で残量を表すのではなく、電源ボタンを押した時の点滅スピードで判別するという、かなり分かりづらい仕組みだが、今回の試用期間中に繰り返し使っていると慣れてきたので、そうネックにはならないと考えられる。
これはMagic Keyboardにも言えることだが、保護カバーとして見た場合、iPadの表と裏はがっちりガードされているものの、側面についてはガラ空きなので、水滴などの浸入には弱く、角から落下させた場合の保護性能もあまり期待できない。このあたりは割り切りが必要な部分だ。
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