いざ実際に購入すると考えた場合、プロセッサがIntel Coreシリーズの第12世代しか選べません。特に最新のCore Ultraは“AI PC”とうたっているように、将来性がある新しいプロセッサになっています。
高価なデバイスなので基本的には長期利用を考えると思いますが、少しちゅうちょしてしまうポイントかなと感じます。
もう1点は、キーボードです。キーボード自体というよりは、キーボードを使う前準備がやや煩雑です。ノートPCのように使う場合、ディスプレイの上にキーボードを置きますが、この置いた状態だと折りたためません。使用中はごく普通のノートPCとして使っている感覚になるので、閉じるときも普通に閉めようとしてしまいました。
当たり前ですがキーボードが引っ掛かって閉められず、画面に傷がついていないかとヒヤリとします。実際に引っ掛かっている部位は縁(ベゼル)の部分なので大丈夫なのだと思いますが……。勢いよく画面を閉めることもあるため、ちょっと怖さを感じました。
Bluetoothキーボードなので充電が必要になる点もやや面倒さを感じますね。
そして、やや惜しいのがインタフェースです。本体にはそれぞれThuderbolt4とUSB 3.2 Gen 2に対応したUSB Type-Cが2基しかありません(もう1基あるUSB Type-Cはキーボード充電用です)。USB Standard-AやHDMI出力なども欲しかったところです。
折りたたみディスプレイではありませんが、前回、似たようなコンセプトのデバイスである「Zenbook Duo」をレビューしました。かなり気に入ったので、自腹で購入して現在愛用中です。
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そのため、どうしてもZenbook Duoと比較をしてX1 Foldを触ってしまいます。そうした目線からすると、ノートPCとして見た時のX1 Foldは使い回しにやや難があるように感じてしまいました。
まず、通常のノートPCとして使おうとした場合です。サイズが小さいにもかかわらず重いのです。スペックシート上では本体が約1.26kgで、さらにキーボード(スタンド含む)が約627g、合わせると約1.88kgとなります。Zenbook Duoの場合、14型ディスプレイ2枚とキーボード(スタンドは本体側に付属)で約1.65kgなので、実はX1 Foldより軽いです。
そしてキーボードの取り扱いも手間がかかります。前述した通り、キーボードは本体の中に収納できません。そのため、カバンから取り出し、ディスプレイを開いて、別途キーボードを取り出して画面に乗せる、といった手間が必要になります。12型サイズなので取り回しに優れていそうと思いますが、キーボードの一手間が必要であるがゆえに、そうはいきません。
また、屋外で使うときはプライバシーフィルターが欲しくなります。しかし、折りたたみということもあり、ズバりな製品が出るかは少し難しいところかもしれません……。
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