米国生まれの「ヨシノパワー」が“固体電池”のポータブル電源に注力する理由(4/5 ページ)

» 2024年06月27日 16時00分 公開
[あーるITmedia]
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固体電池は“日本発祥”の技術

―― こういった固体電池を採用できたのは、先ほど出てきたYoshino Technologyの兄弟会社の技術力によるのでしょうか。

桜田社長 (Yoshino Technologyの)兄弟会社は、固体電池の領域では一番進んでいる会社だと思っています。

 固体電池に関する技術を俯瞰(ふかん)すると、全体的には中国の企業が最先端です。技術面はもちろん、原材料の調達力でも強いです。技術力はさておき、日本の企業が同じコストで作れるかというと、現状では難しいのではないでしょうか。

 私たちは技術力とコスト競争力のある会社を兄弟会社に迎え入れて、固体電池を独占的に供給してもらっていることによって、今の製品を供給できているのです。

サンプル 3.72V/54Whの固体電池のサンプル

―― 固体電池を供給している兄弟会社は、Yoshino Technology以外にも固体電池を供給しているのでしょうか。

桜田社長 電気自動車に電池を供給しています。全固体電池に限らず様々な種類の電池を作って、いろいろな会社に供給しています。高級車や電気自動車向けにも全固体電池を供給しています。

―― 話を総合すると、現行の固形電池の核心技術は中国企業に由来するものだということですよね。日本の技術は使われているのでしょうか。

桜田社長 固体電池の元となる技術は、日本企業が発祥です。中国はそれを後追いして、追い抜いたという感じです。コンセプトを作ったのは日本の企業なので、あくまでも「日本から始まった技術を使っている」という意味です。

 私たちヨシノパワージャパンは、日本の会社です。だからこそ、固体電池に利用している技術は海外発祥ではなく、日本が“起源”であることを言いたかったのです。「日本の会社」を前面に出しているつもりではなく、グローバルブランドを目指しているため、基本的にどこの国の企業であろうと良いものを作って、良いものを売るということには変わりはありません。

日本でもR&D拠点を設置予定

桜田社長 日本という意味では、Yoshino Technologyは≪日本に研究開発(R&D)拠点を開設する計画です。当社にR&D部門を追加する形での設置を想定していますが、一部に“日本生まれ”の製品が出てくることになると思われます。

 今後、日本法人である私たちがR&Dを推進するこで、私どもの製品の技術の優位性を高めていけるのではないかと思っています。

―― 現時点では日本にはR&D部門はないということでしょうか。

桜田社長 現在、Yoshino TechnologyのR&D部門は中国にあります。私たちがR&D部門を開設した後は、中国と日本のチームが製品開発を担うという想定です。

 R&Dの具体的な内容は話せないですが、製品を送り出す上で必要な4要素を担う方向で検討を進めています。

―― R&D活動の計画や、今後のヨシノパワーの製品展開について、もっと公開できる情報はあるのでしょうか。

桜田社長 先に触れた製品計画以外に、話せることはまだありません。乞うご期待、ということでしょうか。

ソーラーパネル 純正オプションとして用意されてるソーラーパネル

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