スマートリモコン「Nature Remo」の新型モデル「Nature Remo Lapis」が登場した。本物の石を模した外観が目を引くが、スマートリモコンとしての実力はどうなのだろうか。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。
本製品は、赤外線リモコン搭載の家電製品を登録することで、スマートフォンアプリからの操作を可能にする、いわゆるスマートリモコンと呼ばれるカテゴリーの製品だ。本製品を室内に設置しておけば、屋内外を問わず、さまざまな赤外線リモコン対応の家電をスマホから操作したり、スマートスピーカーと連携させての音声によって操作したりが可能になる。
見た目のデザインこそ突飛だが、スマートリモコンとしての機能は一般的だ。表面には赤外線信号の送信部が、裏面には給電用のUSBポートがある設計は従来通りだし、内部のLEDがステータスによって発光するのも変わらない。
さらに、温度センサーおよび湿度センサーを搭載しており、これらの測定値をトリガーに、エアコンを自動運転するといったオートメーション操作にも対応する。ちなみに、過去の一部モデルにあった人感センサ―および照度センサーは省かれている。
スマート家電の共通規格「Matter」にも対応しており、最大20台までのデバイスを接続できる。同じくMatterに対応した従来モデル「Nature Remo nano」は最大3台までだったので、大幅に数が増えたことになる。Matterに対応していることで、Appleのホームアプリから扱えるのはメリットだ。
この他、特定メーカーの家電製品との連携もいっそう強化されており、従来の「SESAME 5」や「Qrio Lock」などに加えて、今後は「Philips Hue」にも対応予定としている。きちんと実装されれば利便性が向上するのは間違いなく、こういった方向での進化は歓迎したいところだ。
そんな本製品の利用にあたっての最大の注意点は、壁掛けに対応しないことだ。従来のNature Remoのほとんどのモデルは裏面のフック穴を用いての壁掛けをサポートしていたが、本製品はフック穴がないため、デスクや棚の上に置いて使わざるを得ない。壁掛け可能な従来モデルと入れ替える場合は、このことはネガティブな部分になるだろう。
もともと本製品は本物の石のようなデザインゆえ、壁に掛かっているのはデザイン的にも不自然で、リモコン信号が届けば壁掛けができなくても構わないという見方もあるだろうが、そもそもスマートリモコンを壁に掛けて使うのは、デスクの上にこういったデバイスを置きたくないニーズも多くを占めるはずで(筆者がまさにこれである)、個人的にはこの時点で買い替え候補から外れてしまう。次期モデルでは再考を要望したい。
なお、試しに本製品を稼働中の「Nature Remo mini 2」と入れ替えてみた限りでは、壁掛けが床置きになったからといって、リモコン信号が届かなくなることはなかった。よってリモコンの信号さえ届けば置き方はこだわらないという人にとっては、特にネックにはならないはずだ。
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