ここからはベンチマークテストでTENKU Comfortbook 15の性能を確認していこう。
本機が搭載するCeleron N5100は2021年にリリースされたCPUで、エントリークラスのモバイルノートやミニPCに広く採用されていた。世代的には第11世代(Jasper Lake)のプロセッサだ。エントリークラスとはいえ、文章作成やWebブラウジング程度であれば問題のない性能は持っている。最近では、後継のIntel N100に置き換えが進んでいるが、コスト削減のためにN5100が利用されることも多い。
まず3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックできるCINEBENCH R23の結果だが、マルチコアで1484ポイント、シングルコアで564ポイントという結果だった。
筆者の手元にあるCeleron N5100搭載の「CHUWI MiniBook X」(10.8型)では、マルチコアで1479ポイント、シングルコアで551ポイントだった。ネット上で他機種のスコアを確認してもほぼ同等だ。ファンレスということを考えると、Celeron N5100としては優秀なスコアと言ってもいいだろう。
続いて、PCMark 10の標準テストを一通り実行した。スコアは以下の通りだ。
開発元のUL Benchmarksによると、個別テストの推奨スコア(快適に使える目安)はEssentialsが4100以上、Productivityは4500以上、Digital Contents Creationは3450以上となっている。これを考えると、Webブラウジングやビデオ会議は問題なくこなせるものの、オフィスアプリは少々重く、写真編集や動画編集などは厳しいという感じだ。
ゲームや3Dグラフィックス性能を期待する製品ではないが、一応3DMarkも実施してみた。主なテストのスコアは下記の通りだ。参考に、Intel N100を搭載するTENKU MOBILE S10のスコアも併記している。
やはりIntel N100には及ばないが、どちらにしろゲームを快適にプレイするというわけにはいかないだろう。
試しに「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク(FF15ベンチマーク)」を実施したところ、軽量品質/1280×720ピクセル/フルスクリーン設定でも741ポイントで「動作困難」となった。Intel N100のTENKU MOBILE S10では、同じ条件で1319ポイントだったので、さらに動作は厳しいようだ。
実際にしばらく操作してみた印象だが、アプリの立ち上がりが非常に遅い。一度起動してしまえばほとんど気にならないが、アプリによっては30秒以上待たされることもあった。
この原因となっているのが搭載しているSSDだろう。CrystalDiskInfo 9.3.2で確認したところ、「Netac SSD 256GB」が搭載されていた。インタフェースはSATA3で最大転送速度は最大で毎秒600MBとなっている。
CrystalDiskMark 8.0.5でアクセス速度を調べてみたところ、シーケンシャル読み出しが毎秒551MB、シーケンシャル書き込みが毎秒439MBだった。最近のPCIe接続に慣れていると、かなり遅く感じてしまう。増設できるHDDもSATAなので、この部分での改善は期待できそうもない。
あれもこれもとできる性能はなく、複数のアプリを切り替えて使うような用途ではストレスがたまりそうだが、文章作成やWebブラウジング、動画視聴程度であれば十分にこなせるだろう。15.6型という大画面で、それなりに快適な作業が行える。
ただ、こういう用途であれば、もっと安価なChromebookでも問題はない。Windowsであるということにメリットを見いだせるかどうかで、評価が大きく変わりそうだ。
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