折りたたみスマートフォンのPixel 9 Pro Foldだが、肝心の「折りたたんで何ができるのか」という部分についても触れておこう。
真っ先に思い浮かぶのが、コンパクトに持ち歩き、必要なときに大画面を利用するという使い方だろう。このイメージは、ある程度正しい。通常のスマートフォンと同様、電話やメール、SNSの閲覧など、日常的な操作は大抵カバーディスプレイ側でも対応できるが、複数の資料を見比べたり、資料を見ながらメールを書いたり、あるいはYouTubeを見ながらSNSへ書き込みをしたい、ゲームをしながら攻略サイトを参照したいといった場合には、8型のインナーディスプレイで画面分割を利用すれば簡単に実現できる。
タブレット用のクランプなどを使って車載すれば、大画面でカーナビ代わりにもなる。車を降りるときには折りたたんでポケットに収めることが可能だ。
文章を書く場合に、スマートフォンのフリック入力が苦手だという場合にも、広い画面を使ってQWERTYキーボードで入力することもできる。Pixel 9 Pro Foldは、本体を無段階で折り曲げられるので、ノートPCのように途中まで開いて机上に置いて入力することも可能だ。
カバーディスプレイとインナーディスプレイの2画面あるのも特徴だ。
自撮りを行う場合に、Pixel 9 Pro Foldには約1000万画素のインナーカメラが搭載されているが、カバーディスプレイを利用すると、より高精細な背面カメラで自撮りを行える。ポートレート写真を撮影する場合も、被写体となる人にカバーディスプレイで表情などを確認してもらうことができる。
2画面を利用すると、Google 翻訳を使ったリアルタイム翻訳で自分と相手、それぞれに違った画面を見せながら会話を行うことも可能だ。小さな画面をお互いにのぞき込む必要はない。
Google 翻訳のリアルタイム翻訳モードを利用する場合、インナーディスプレイに日本語で話した内容(左)、カバーディスプレイ(右)にそれを翻訳した内容を同時に表示できる。相手が話せば、それを日本語に翻訳したものがインナーディスプレイに表示される折りたたみスマホにはメリットがある反面、デメリットもある。その最たるものが重さだろう。先にも書いたが、Pixel 9 Pro Foldは薄いスマートフォンを2台持ち歩くようなものなので、当然ながら重い。
また、「開くと大画面」にも注意が必要だ。動画を大画面で楽しみたいと考えている場合、おそらくその希望はかなえられない。こちらも先に書いたが、Pixel 9 Pro Foldのインナー画面は、ほぼ正方形だ。アスペクト比16:9の比率が主流の動画を表示しても、画面いっぱいに表示することができない。
折りたたみスマホにはいくつかのデメリットはあるものの、それが問題にならない用途であれば非常に便利なことは間違いない。大画面での動画視聴には向かないが、スタンドがなくても机上に置けるのは、新幹線や飛行機などでは便利かもしれない。その他にも、移動中に資料を読み込んだり、メールや文章作成などを行ったりするビジネスユーザーとは相性がよさそうだ。
価格が25万円超えと高いので誰にでもお勧めできるわけではないが、普段からスマートフォンとタブレットを持ち歩いている、ノートPCを持ち歩く機会を減らしたいと考えている人なら、試してみる価値はあるだろう。
(製品協力:グーグル合同会社)
「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」開封レビュー 箱に意外な変化、注目の4機能はコレ!
「Google Pixel 9 Pro Fold」は薄くて軽くなった3画面スマホだ 価格は税込み25万7500円
「Google Pixel Watch 3」は45mmと41mmから選べるスマートウォッチに 税込み5万2800円から
完全ワイヤレスイヤフォン「Google Pixel Buds Pro 2」はTensor A1チップを初搭載
「HP Spectre Foldable 17」は閉じればノートPC、開けば17型のタブレット! 1台3役、5つのスタイルで運用できるフォルダブルPCを試すCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.