昨今、さまざまメーカーからXR(AR)グラスが登場しています。いずれも似ているようで少しずつ特徴が異なり、選択に迷う状況かもしれません。
今回はTCL RayNeoが8月15日に発売したサングラス型ディスプレイ「RayNeo Air 2s」を試す機会を得ました。
本連載は仕事術をコンセプトとしているので、まずは仕事で使えるかという視点で試してみました。そして、メーカーが第一に考えているエンタメ利用についても検証しているので、それらをお伝えできればと思います。
正直なところ、ビジネス用途を考えると競合製品と比べて弱さが否めません。しかし、本来のエンタメ利用では製品のシンプルさが功を奏し、非常に使い勝手がよいものだと感じました。
RayNeo Air 2sはソニーセミコンダクタソリューションズの0.55型マイクロOLED or microOLEDディスプレイを採用しています。メーカー担当者いわく、前方6m先に201型相当のディスプレイを置いた視覚体験を得られるようです。
ディスプレイは600ニト相当の明るさを持ち、リフレッシュレートは120Hzに対応しています。そしてメガネのテンプル(つる)部分に搭載された4つのダイナミックスピーカーにより、心地よいサウンドを体験できます。
本体重量は約78gで、ずっとかけ続けていても不快にならないレベルの重量です。バッテリーは搭載せず、接続したデバイスからの給電で動作します。バッテリーの充電管理が不要なのはうれしいポイントです。
逆に言えば、ハードウェア的な特徴は以上です。他製品にあるような「サングラスの濃さを電気的に変更できる」「3DoFや6DoFに対応しており、空間把握が可能」「トラッキング用のカメラを搭載」「視力補正機能あり」といったものは省かれています。至極シンプルなハードウェアだと感じます。
個人的には見た目が好きです。スポーツタイプのサングラスのように見えるため、大げさなガジェット感が薄れています。もちろん、使用する際はメガネとデバイスをケーブルで接続するので、何かしらの電子機器だと分かりますが……。
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