個人的に一番の魅力を感じているのが、外側のカバーディスプレイです。秀逸と言うか、サイズ感として普通のスマホとして使えるというだけなのですが、これがまた、とにかく秀逸なのです。
折りたたみスマホはこれまで「Galaxy Z Fold3 5G」を使っていましたが、Galaxyシリーズのカバーディスプレイは超縦長です。正直、文字入力がしづらいほど幅が狭いと感じることもあります。
私はシステムの動作検証用としてもAndroid端末を使います。普通のサイズ感としてPixel 9 Pro Foldが使えるため、わざわざ一般的なAndroid端末を別に用意する必要がなくなりました。これは地味にうれしいです。
閉じた状態だと、見た目として片辺が角ばっていますが、使っている時に気になったことはありません。ベゼルが太いという話もありますが、個人的には全く気にならないレベルですね。
カバーディスプレイが普通のスマホサイズというのは、メインディスプレイのサイズにも影響します。つまり、ディスプレイを開くと左右に2台のスマホがある状態と同じなのです。昔、Microsoftの「Surface Duo 2」という2画面をコンセプトにしたスマホがあり、「これ、いいな」と思ったことがあるのですが、まさにそれです。普通に、右と左で普通のスマホサイズでアプリを使いたいのです。
PCで複数ディスプレイを使うと生産性が上がりますが、そのスマホ版ですね。他の情報を見ながらチャット入力する、といった使い方は、ビジネスシーンでも活用できるでしょう。この2アプリ同時表示をどう活用できるかが、この連載のテーマである仕事術としてはポイントになりそうです。
そうした使い方を考えると、片方はホーム画面を表示したままで使うなど、根本的に2画面として独立した動きができるような機能があればいいなと感じます。
「画面一杯にアプリを表示して、それから画面分割して……」という操作は手間です。割り切って2画面モードのようなものを実装していただきたいものです。
逆に、スマホ2台分というサイズの弊害もあります。メインディスプレイはコンテンツを大きく表示したい時に使うものですが、画面比率的に、動画や書籍を表示すると空白部分が多くなります。
こうしたサイズ感は非常に難しいと思います。最終的には何を重視するかに尽きますが、「スマホ+少し大きめの画面サイズでコンテンツ消費もできる」という使い方であれば、Pixel 9 Pro Foldは良いところを突いていると感じます。「逆に、大きな画面でコンテンツ消費がしたい」といった場合、そこまで言うならiPadなどを持ち歩いた方が満足度は高い気がします。
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