前モデルのHyperX Cloud MIX Budsはアクティブノイズキャンセリング(ANC)には非対応だったが、HyperX Cloud MIX Buds 2ではANCが搭載された。公式な数値は公表されていないが効果は高く、カナル型のパッシブなノイズキャンセルと相まって、低音だけではなく人の話し声など中音域もかなり打ち消してくれる。ただし、装着時の圧迫感はやや強めに感じた。
ANCの効き具合は調整できず、オン/オフと外部音取り込みの切り替えのみ可能だ。
音質は、低音がやや強めで若干ドンシャリ傾向にある。アプリから5つのプロファイルを切り替えられるが、そこまで大きな差は感じなかった。また、自分でカスタマイズすることもできない。この辺りは、ゲーミング向けとして割り切っているのかもしれない。
2.4GHzワイヤレス接続を利用する場合、ドンシャリ感が抑えられてフラット気味になる印象を受けた。筆者はどちらかと言えば、2.4GHz接続の方が聞いていて疲れにくいと感じた。
なお、Bluetoothの対応コーデックはSBCとAAC、それにLC3に対応している。しかし、筆者のPixel 9 ProでLE Audio(LC3)を有効にすると、左側ユニットから音が出ないという症状が発生した。SBCとAAC接続では問題なく、端末なのか試用機の問題なのかは分からなかったが、そもそもPixel側でもLE Audioは試験機能という扱いなので、低遅延が目的なら素直にドングルを使用した方が良さそうだ。
肝心の低遅延に関してだが、PCのブラウザ経由で遅延テスト系の動画を使って確認したところ、Bluetooth接続では200ms程度の遅延があるものの、ドングルを挿して2.4GHzワイヤレス接続にすると、遅延がほぼ0になるのを確認できた。実際には20ms程度の遅延があるようだが、体感では全く遅延を感じない。
筆者はFPSや音ゲーなど、タイミングがシビアなゲームはプレイしないのだが、これらのゲームをプレイする人にとってはかなり影響が大きいのではないだろうか。
欲を言えば、ドングルの延長用アダプターで3.5mmの入力も可能にしてトランスミッターとして利用できれば、活用シーンが広がるのではないかと思った。バッテリーを搭載しなければならず難しいところだが、対応されればUSB非搭載のゲームデバイスでも利用できるようになるかもしれない。
ともあれ、ゲームでワイヤレスイヤフォンを使いたいものの、遅延が気になって踏み切れなかった人、自宅でBluetooth環境が安定せず、ワイヤレスイヤフォンの使用をあきらめていた人などは、ぜひ1度試してみてほしい。
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