本製品の設置にあたっては、最初に付属のアームをデスク天板に取り付け、次いでその先端に本体を装着する。そして、最後にアーム下部のケーブルガイドにケーブルを通して完了と、一般的なディスプレイアームを用いた場合と同じ手順で設置を行う。
特筆すべきなのは、設置の簡単さだ。アームについては、支柱部を手で握って回すことにより、ドライバーなしで天板に固定できる。この支柱は直径が実測で60mmとかなり太いため、握って回しても手が痛くなることもなく、また反対方向に回して緩めるのも容易だ。下方向への出っ張りが少ないロープロファイルタイプなのもよい。
さらにアーム先端へのディスプレイ本体の取り付けも、位置を合わせてはめ込むだけなので、重いディスプレイを支えながらネジ止めをしたり、先にアームにディスプレイを取り付けてからアームの固定位置を試行錯誤したりするといった面倒さとは無縁だ。ディスプレイ自体が約2.4kgと軽量なこともあり、1人で問題なく作業が完結するシンプルさはまさに秀逸と言える。
以上のように、取り付けやすさは文句なしなのだが、このアームは使い勝手が独特なので注意を要する。1つは縦横の回転に対応しないことだ。ディスプレイアームを使う理由の1つは、エディターや表計算ソフトなど、画面を縦長に使いたい時に素早く切り替えられることだが、本製品は横向き限定なので、こうした使い方には対応できない。
またそれにもかかわらず、アームの先端部はいかにも回転できそうな遊びの部分があるのが紛らわしい。回転できないのは百歩譲って認めるとして、必ず画面を水平に保てるように、遊びの部分は作らないのがベターだろう。説明書には「無理に回転させないようご注意ください」とあるが、回転できないことが見た目に分かる形状の方が望ましい。
もう1つは、一般的なアームだとディスプレイの付け根すぐに上下方向の角度調整用関節があり、その先に左右角度調整の関節があるのに対して、本製品はその順序が逆になっていることだ。なぜこれが問題かというと、前者だと画面が左右どこを向いていても画面の上下の向きを調節できるのに対し、後者では画面が必ず真正面を向いたままになってしまうことだ。以下の写真を見てほしい。
そのせいで、本製品は左右それぞれ90度の範囲でアームを大きくスイングできる利点があるにもかかわらず、それを有効活用できない仕様になっている。念のため同社の過去製品「LA-131-D」「LA-130-D」や、他社ディスプレイアームの売れ筋製品も確認してみたが、こうした仕様は本製品だけだ。
なぜこのような設計を採用したのかは不明だが、いずれにせよ縦横の回転ができないことと併せて、一般的なディスプレイアームに慣れているユーザーは面食らう可能性が高いので要注意だ。アーム自体を伸縮できる機構など見るべきポイントもあるため、もったいない印象を受ける。
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