モバイルディスプレイやタブレットを手軽に固定できる、持ち運べるアームスタンドを試して分かったことモバイルディスプレイの道(3/3 ページ)

» 2025年07月09日 15時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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吸着力は十分 最大4台のデバイスを取り替えながら運用可能

 以上のように2通りの方法があるわけだが、どちらの方法であっても着脱は自在で、なおかつ縦/横どちらの向きでも利用できる。粘着式の取り付けマウントは3枚付属しているので、VESAマウント用金具と合わせれば、合計4台のデバイスを取り替えながら使用できることになる。

 耐荷重は約1.5kgとなっており、市販のモバイルディスプレイのほとんどは適合すると考えられる(ただし対応画面サイズは4.7〜18.5型までとされている)。今回は15.6型のモバイルディスプレイ(重量は実測860g)で試したが、吸着力は十分すぎて、逆に取り外す際に苦労した程だ。

 なおVESAマウント金具を使った場合、そのぶん重量が増すことになるが、測ったところ50gを切っており、それほど気にしなくてよいだろう。厚みもほとんどないため、バッグの中に入れて持ち歩く場合に、VESAマウント金具がつけっぱなしだからといってかさばることもない。

アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 粘着式の取り付けマウント(右)は3枚付属しており、VESAマウント用金具(左)と合わせて4台のデバイスを取り替えながら使用できる
アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 15.6型クラスのモバイルディスプレイでも容易に縦置きが可能だ。ただし、重心が上方に偏ることに変わりはないので気をつけよう
アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ こちらは13インチiPad Airを縦置きにしたところ

 ちなみに、粘着マウントは円形ということもあってMagSafeを想起させるが、試した限りでは互換性はない。磁力があるため吸着はするが、iPhoneの自重でじわじわとずれていくので実用的ではない。

 本製品にiPhoneを取り付けて使うのであれば、iPhoneの保護ケースに本製品付属の粘着マウントを取り付けてから装着することになるが、そうなると今度はMagSafeの利用が難しくなる。

アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 右はMagSafe充電器。形状/サイズともに似ているが互換性はない

クランプ利用のアームのような安定性はない点に注意

 さて、こういったアームタイプのスタンドを使う場合、ポイントとなるのは安定性だ。取り付けるのがモバイルディスプレイであれ、タブレットであれ、使っているうちに自重で関節が曲がってくるのは、使っていてかなりのストレスがある。

 今回、15.6型のモバイルディスプレイで試した限り、同じ角度をキープし続ける場合にはそのままで問題ないが、角度を変えた場合は、そのたびに六角レンチを使って関節をきちんと締めないと、一部の関節が緩んで曲がる現象が見られた。

 このあたり、ディスプレイアームやタブレットアームのように、クランプで根元を固定した上で、繰り返し手前に引き出したり、奥に押しやったりすることを前提にしているわけではないので、どれだけ動かしてもアームが緩まない想定でいると、がっかりするかもしれない。本製品を選ぶにあたり、そこはしっかりと区別しておいた方がよいだろう。

アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 関節を動かした後は、付属の六角レンチで関節を締めた方がよい
アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 市販のタブレットアーム(右)の中には、関節を締めるためのレンチを台座裏に収納できる製品もあるが、本製品はそういったギミックはないため紛失しやすい。このあたりはもう一工夫欲しかったところではある

 そもそもの問題として、本製品の台座は約16×14cm程度とコンパクトなので、向きや角度をあまり極端にするとバランスを崩して自立が難しくなる。可能であれば、モバイルディスプレイを完全に宙に浮かせるのではなく、下の端がデスクに設置する位のつもりで設置した方が、安定して使えるだろう。

アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 関節の自由度は高いが、重心の関係で、あまり台座の中央から離れると転倒してしまう。台座の真上に本体が来るよう配置すれば、たいていは大丈夫だ
アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ 可能ならば、このようにディスプレイ底面をデスク面に接地させた方が安定する

 以上のように、利用のコツや機構上のツッコミどころはちょくちょくあるが、一般的にモバイルディスプレイはサイズ的に市販のタブレットアームには取り付けられないことが多く、本製品はそういった場合に重宝する製品だ。国内メーカーがこうした製品を取り扱うケースは少ないので、保証期間が設けられていることと併せて、貴重な製品と言っていいだろう。

アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ タブレットアームは左右からわしづかみにするタイプが多く、モバイルディスプレイは取り付けられないことが多いので、本製品のような機構は重宝する
アイティプロテック IPT-MONITOR-MAG アームスタンド マグネット スマホ タブレット モバイルディスプレイ パッケージ。国内メーカーがこうした製品を取り扱うのは珍しい。ちなみに12カ月の保証期間が用意されている
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