アドビは9月9日、動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」に90種類以上の新しいエフェクト、トランジション、アニメーションを追加すると発表した。12日にオランDNAで開催される放送機器展「IBC 2025」にあわせて提供を開始する。
今回のアップデートは、同社が買収したFilm ImpactのライブラリをPremiere Proに統合することで実現したという。従来のようなプラグインや追加のサブスクリプション購入は不要となる。
追加されるエフェクトは多岐にわたり、スムーズでエレガントなディゾルブやブラー、ワイプから、グリッチ、VHSノイズなどのラフな表現、さらには万華鏡のようなユニークなエフェクトも含まれる。これらは全てGPUアクセラレーションに対応しており、ドラッグ&ドロップするだけでリアルタイム再生が可能となる。
さらに「モーショントランジション」を使えば、静止した画像を瞬時に動かしたり、キーフレーム設定などを行わずに静的な2Dテキストに影や奥行きを与え、3Dアニメーション付きのモーショングラフィックスを作れたりするという。
カラーグレーディングを強化する新エフェクトも追加する。グロー、ブラー、エコーなどにより、写真のようなボケや光のきらめきをクリップに加えることができるとしている。さらに、三脚で撮影した固定ショットに手ブレを加えるエフェクトも用意されている。
この他、タイムライン操作の改善も行った。例えば、クリップをドラッグする際にオーディオ波形が常に表示されるようになり、編集作業がよりスムーズになった。再生速度も改善され、再生ボタンを押してからフレームが動き出すまでの待ち時間が大幅に短縮されるという。
ユーザーからのフィードバックに基づき、デフォルトフォントの設定機能、トラックのミュート/ソロを切り替える新しいショートカット、16ビットPNGファイルの読み込みサポートなども追加した。
同時に、モーショングラフィックスソフト「Adobe After Effects」にも改善が加えられ、複数のキーフレームやレイヤーを一度にずらして均等配置できる「クイックオフセット」ツールが導入された。これにより、複雑なコンポジションの編集効率が向上する。
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