エプソン販売は9月25日、森ビルが運営する麻布台ヒルズとのコラボレーションパートナーへの参画を受けて成果を発表、乾式オフィス製紙機「PaperLab Q-5000」の導入実態も公開された。
コラボレーションパートナーへの参画は7月1日に発表済みで 今回の取り組みでは乾式オフィス製紙機の最新モデル「PaperLab Q-5000」を導入し、森ビルオフィス内で紙資源の循環を実現しているのが特徴だ。
また麻布台ヒルズ内の一部広告掲出場所では、同社製プリンタを用いた広告出力にも対応しており、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ないレジンインクを用いることで環境負荷低減に貢献できるとしている。
麻布台ヒルズで行われた発表会では、エプソン販売 代表取締役社長 栗林治夫さんと同社取締役 マーケティング本部長 豊田誠さん、森ビル タウンマネジメント事業部 メディア事業企画部 部長 山本栄三さんが登壇し、エプソングループの環境への取り組みや、森ビルとのコラボレーションについての現状と今後について話された。
冒頭で栗林さんは「エプソングループは持続可能で心豊かな社会の実現を目指し、環境への取り組みを重要な使命と捉え、具体的な目標とアクションを掲げて実践している。気候変動などの環境問題は喫緊の課題であり、顧客の環境意識も高まっている」と述べた。
特に経営層から環境対応に関する相談が増えていることを指摘し、エプソングループとして環境活動を一層強化する方針を示した。
続いて、豊田さんが同社が行った調査(2025年版 ビジネスパーソンの職場における環境問題に関する意識と実態調査)の結果発表を行い、「前回調査を行った2019年と比較して、企業の環境問題への関心は全項目で10ポイント以上向上し、特に製造業では20ポイント以上向上している。環境への関心が全体的に高まっている」とデータで示した。
また「2019年度の調査では、取り組みの目的が圧倒的にコスト削減だったが、今回の調査では企業イメージの向上や社会的責任といった側面が大きく伸びている」と指摘した。
エプソン販売と森ビルとの協業は、2018年の「チームラボ ボーダレス」でのプロジェクションパートナーとしての協力関係が始まりだ。「麻布台ヒルズの『グリーン&ウェルネス』な街作りと、エプソンの『人と地球を豊かに彩る』というパーパスの方向性が一致したため、コラボレーションパートナーとなった」と豊田さんは経緯を説明した。
不動産業界にある根強い紙文化という課題に対し、森ビル社内の作成文書はペーパーレス化を進める一方で、法的に必要な書類や取引先との重要書類はPaperLabを活用して紙資源循環を実現し、街の活性化につなげたいとした紙を無理になくすのではなく、使用済みの紙を資源として循環させるという発想から、オフィス製紙機「PaperLab」が生まれた。これにより、新たな形のペーパーレスを推進できるとして、麻布台ヒルズの森ビル内でPaperLab Q-5000が導入された。
PaperLab導入後、社員アンケートで約8割が「紙資源の循環への意識が高まった」と回答した。オフィス内にPaperLabが設置され、紙が再生される過程が常に見える状態(見える化)であることが、社員の意識向上に非常に大きな影響を与えているのが分かる続いて、麻布台ヒルズで森ビルの社員約120名が利用しているPaperLabの現場を見ていこう。
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