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「TerraMaster F4 SSD」を試す 手頃な価格で“フルSSD”を実現できるNASキット(2/2 ページ)

» 2025年10月13日 12時00分 公開
[迎悟ITmedia]
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スマホアプリから簡単にセットアップ

 NASのセットアップは、ネットワークに関する知識をある程度求められるものが多い。また、いわゆる「簡単セットアップ」を用意していても、PCに専用アプリをインストールしなければならないことも多い。いずれにしても「簡単じゃないな」という印象を抱いている人は多いだろう。

 筆者は知人に「自宅にNASを置くからセットアップを手伝ってほしい」と頼まれることがあるのだが、多くの場合は設置場所のネットワーク構成が分からないとセットアップを進められない。NASのセットアップって面倒だ――長年思ってきたことでもある。

 だが、F4 SSDのセットアップは驚くほどに簡単だ。スマホに専用アプリ「TNAS Mobileをインストールして、F4 SSDと同じネットワークにつないだ上で画面の指示に従って必要事項を入力していくだけで完了する。

 このアプリは初期設定を含むF4 SSDの各種設定はもちろん、スマホと写真/動画をやりとりする際や、家族にアクセス権を与えるためのアカウントを発行したい時などにも使える。

アプリ画面 TNAS Mobileを使えばF4 SSDの初期設定(左/中央)の他、スマホのデータのバックアップや読み出し(右)も行える

独自の「TRAID」によって異なる容量のSSDでもRAIDを組める

 複数台のSSDを搭載できるF4 SSDは、NASということで複数のストレージにデータを保存することでパフォーマンス向上やデータ消失リスクの軽減を図れる「RAID」にも対応している。標準的なRAID構成でいうと、RAID 0(ストライピング)/1(ミラーリング)/5(パリティ分散)/6(二重パリティ分散)/10(ストライピング+ミラーリング)に対応している。

 RAIDを構成する場合、基本的には搭載する全てのストレージの容量をそろえる必要がある。しかし、大容量のSSDを複数台用意することは、懐具合を考えると難しいことも事実だ。「余っているSSDを使ってSSDを作ろう」と考えている人でも、手元に余っているSSDは256GB〜512GBあたりの容量がボリュームゾーンで、多くても2TB程度だろう。

 容量の異なるストレージ(SSD)でRAIDを組むと、容量が一番小さいものに合わせて構築される。そのため、より容量の大きなストレージは残りの容量を生かせない“宝の持ち腐れ”状態になってしまう。そこで登場するのが、TerraMaster独自のRAID技術「TRAID」だ。TRAIDを利用すると、異なる容量のストレージでRAIDを構成する際に有効な容量を広げられる。

 今回はサンディスク(Sandisk)のNAS用SSD「WD Red SN770」の1TBモデルを1基、4TBモデルを3基という異なる容量の組み合わせで搭載している。通常、この構成でRAID 5を構成すると、利用できる容量は3TB〜4TBとなってしまうところ、TRAIDを使うと約8TBの容量を確保できる

 冒頭で述べた「コストを意外と抑えられる」というのはまさにここで、大容量のSSDを持っていない場合でも、手持ちのSSDで手頃にムダをできるだけ抑えたフルSSDのNASを構築できる。

組み込んだ図 今回は「WD Red SN770」の1TBモデルを1基(一番手前側)、4TBモデルを3基という構成でTRAIDを構成した
TRAID TRAIDを利用すると、RAID5に近い使い方で冗長性を持たせながらも、容量差により発生する“ムダ”を極小化できる

パフォーマンスはどうか?

 「F4 SSDでTRAIDを使うと、とのくらいのパフォーマンスが出るのか?」という点も気になるだろう。

 今回は、自宅にあるWindows Server搭載ファイルサーバ(10GBASE-T対応ネットワークアダプター搭載)と本機を10Gbps対応ハブを介して接続して、サーバ側で「CystalDiskMark 9.0.1」を使って読み書きの速度を計測した。

 5GBASE-Tというと、理論上はUSB 5Gbps(USB 3.2 Gen 1)と同じ速度で転送できる。MB(メガバイト)換算すると毎秒約625MBという計算だ。計測する限り、USB 5Gbpsに対応する外付けSSDと同等のパフォーマンスが発揮できていることが確認できた。大容量の写真/動画データを扱う場合でも、ホームユースなら十分すぎる性能を有している。

計測結果 CystalDiskMark 9.0.1の計測結果(左が通常、右が0Fill時)。シーケンシャル(連続)の読み書きでは、USB 5Gbps接続のSSDと同等のパフォーマンスを発揮できる

いろいろなデバイスの大容量データをバックアップしたい人にお勧め

 筆者の個人的なとなるが、2歳になったおいっ子がかわいく、家に遊びに来る度にスマホやアクションカムなど、手軽な機器で動画を撮っている。そんなに撮ったつもりはないのだが、あっという間にデータ量は数GBに達していて、特にスマホは先日機種変更をするまで、本体ストレージの大半が“おいっ子”だった。我が子や親戚の子、ペットなど、かわいいものを高画質になったスマホのカメラなどで、どんどん撮影して、いつの間にか容量に困っているという人は多いはずだ。

 そしてこうしたデータを転送しようと思っても、特にスマホはUSBフラッシュメモリなどを利用することはできても、データの転送は若干煩雑だったりする。撮りためたデータをPCで編集しようと思っても、やはり大きなデータを常にPC内においておくわけにもいかない。データの置き場に困っている人も多いだろう。

 その点、F4 SSDはデータの置き場に困っている人には最適解といえる。SSDしか搭載できないというある意味では割り切った仕様のおかげでボディーは小さく、設置場所も問わない。SSDの容量単価の問題もTRAIDのおかげで解決しやすい。もちろんSSDらしく転送速度も速いので、動画データの保存先としての使い勝手もいい。

 F4 SSD自体は決して安くはないのだが、SSDオンリーのNASキットとしては手頃ば部類ではある。気軽に高画質の動画や写真ができる時代だからこそ、思い切った投資として選ぶだけの価値の高い。

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