「iPhone Air」に買い替えた、ガジェット好きのPro Maxユーザーが購入前と後に考えたこと「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/3 ページ)

» 2025年10月17日 15時48分 公開
[石黒直樹ITmedia]

よく考えると、iPhoneに“全て”必要か?

 iPhone本体を軽くて薄くすることで、失われる物があります。その部分を自分は許容できるのか、これがiPhone Airを選択できるかの最大のポイントとなりました。冷静に最近のiPhoneの使い方を思い返してみました。すると、役割をiPhone1台に詰め込む必要はほぼないということに気が付きます。

 と言うのも、しっかりと外出する際はAndroidスマホも持ち歩いているのです。理由はシンプルで「iPhoneに何かがあった時の予備機」です。

 仕事柄、外出先でもテザリングを使ってオンライン会議をしたり、スマホでチャットツールを使ったりします。つまり、外出時はiPhoneが単一障害ポイントとなってしまっており、バッテリー切れ、通信不調、故障などが起きると一気にピンチに陥るわけです。それに気がついてからは、Androidスマホも持ち歩いているのです。

 そして、読者の方はうすうす感じているかと思いますが……Androidスマホもフラグシップ機を使っています。

photo Xperia1 VII(左)とGalaxy Z Fold 7(右)。α譲りのカメラ、折りたたみスマホ、とユニークなポイントを持つスマホを選んでいます

 出張や旅行は必ず2台体制で、さすがに近所に食事に出掛ける程度であればiPhoneだけですが、そうした時に「全てを兼ね備えたiPhoneが必要か?」というと、そうでもないかなと思いました。

Pro MaxからAirへ 失ったものと、その見立て

 iPhone Pro MaxからiPhone Airにすることで失ったもの。大きな要素を1つずつ考えてみました。

 まずはバッテリー。しかし筆者の仕事環境はPCを使うことも多く、そもそも電源が用意された場所で働くことが多いため、充電には困りません。外出時、困る可能性がある時はモバイルバッテリーも常備します。そのため、iPhone単体の容量少なくても問題ないと判断しました。

 次にカメラ性能。Airはシングルレンズで、超広角や望遠、マクロ撮影機能が省かれています。ただ、ここ1年でiPhoneでそうした写真を撮った記憶はほとんどなく、本格的に撮影するときはミラーレスカメラやAndroidスマホを使えばよい話です。大きく困ることはないのでは、と感じました。

 シングルレンズなので空間ビデオは撮れませんが、わざわざApple Vision Proで再生するケースも実質ないので、気にしないことにしました。

 LiDARも非搭載です。しかし、こちらも空間スキャンを行うことはほぼないですし、「カメラのピント精度に影響するかも……?」とは思いましたが、そこまで悪くもないだろうということで無視します。

photo ハイエンド機でシングルレンズ。この思い切りの良さは、なかなかまねできないかもしれません

 スピーカーはモノラルですが、iPhoneのスピーカーで音にこだわるような使い方をするわけではないので、問題ないでしょう。

 ただ、このご時世でUSB Type-Cポートの規格がUSB2.0であることにはびっくりしましたが、転送速度が影響しそうなのはバックアップ、写真/動画の転送ぐらいです。こちらもそこまで頻度があるわけではないので、致命的ではないと判断。

 あと、実は予約後に気がついたのですが、DisplayPort出力(映像出力)に非対応でした。つまり、XrealなどARグラスを接続できません。これは厳しい……と思いましたが、iPhoneでARグラスにつないで使うことはないので実用としては問題ないと判断しました。レビューする際などに困るかもしれませんが、その時はお古の端末を使えばよいかなと。

 また、eSIMオンリー機はなんとなく避けたいなとは思っていたのですが、iPhone 17シリーズ全てがeSIMオンリーということが分かり、機種選定のポイントからは外れました。これが逆にAirの背中を押した1つのポイントでもあります。

 あらためて挙げると、これら全てを兼ね備えたProシリーズってすごいな、と思いましたが、自分の使い方からすると「本体の軽さが最も満足度を高めるもの」と判断しました。

軽さ/薄さは正義

 さて、実際に手に取り、2週間ほど使ってみました。現在のところは、大満足です。やはり、軽さ/薄さは正義です。

 ここ数年、Apple製品に限らず「薄さ」は1つのトレンドになりつつあります。筆者自身、Galaxy Z Fold 7の薄さに魅了されて、折りたたみスマホを買い換えたばかりでした。そうした文脈の中で触れたiPhone Airの「薄くて軽い」という特徴は、やはり強力に響きました。

photo 開いた状態のGalaxy Z Fold7の方が薄かったりしますけどね……(約4.2mm)

 なお「抜群に軽い」というわけではありません。6.5型ディスプレイ搭載スマホとしては確かに軽量ですが、iPhone 17(6.3型)が約177gであるのに対し、Airは約165gです。大差とはいえません。昔のiPhone 12 miniはなんと約133gです。

 「軽い軽い」とイメージしすぎると、実際はそこまでではないと感じるでしょう。それでも、6.5型でこの軽さは驚異的だと感じます。

 「軽くて画面が大きい」というのは重要で、電子書籍がさらに読みやすくなりました。私は自炊派(紙の書籍をスキャンして読む)ですが、文庫サイズに近い書籍であれば文字も十分読めます。

 軽いと文字入力もしやすいため、仕事でも使いやすくなった印象です。重いと、文字入力もおっくうになるので……。

 また、カメラがシングルカメラと弱体化しましたが、本体が軽いので逆に気軽に使う機会が増えたということも事実として残しておきます。

センターフレームフロントカメラは素晴らしい

 軽さ/薄さ以外は期待していなかったのですが、これだけは記しておきます。今回地味に便利だと感じたのが「センターフレーム対応のフロントカメラ」です。なお、Air固有の機能ではなく17シリーズであれば搭載しています。

 自撮りをする時に非常に強力で、今までだと「みんなを画角内に収めるのが面倒……」と思っていたのが、自動で良い感じにしてくれます。Air本体の軽さも相まって、よく使うようになりました。本体が重いと、自撮りするのもちょっと大変ですよね。

 自撮りをよくする方にとっては、この機能だけでも買い換えを検討する価値があると感じました。

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