Headphone(1)は、英国の老舗Hi-FiオーディオブランドのKEFと共同開発されている。カスタム設計の40mmドライバーを搭載し、原音に忠実なサウンドを目指した。音質チューニングなどは、KEFの専用リスニングルームで行われたとのことだ。
音質に関してはイコライザーの設定次第ではあるが、実際に聞いてみると低音から高音まで非常にフラット、そしてクリアな印象を受けた。ボーカルなどの中音域も、デフォルトの状態でも非常に聞き取りやすい。
マイク性能も優秀で、AIを使用したクリアボイステクノロジーで周囲の騒音や風切り音などを抑えながら、装着者の音声のみを分離して送信することができる。
こちらは自分の声をボイスレコーダーで録音する形で確認したが、扇風機の前で録音しても風の音が気になることはなかった。周囲の騒音も全く気にならないレベルなので、外出先でのオンライン会議などでも問題なく利用できそうだ。
Headphone(1)はANCに対応しており、アプリから弱/中/強/アダプティブの4段階で切り替えられる。アダプティブは周囲の騒音レベルに合わせて自動で強度を調整してくれるモードだ。外部音取り込みにも対応しているが、こちらは調整できない。
ANCはそれほど強力という印象ではないが、その分、ANC特有の圧迫感もない。エアコンなどの低音は「低」でも十分に打ち消すことができ、「強」モードなら人の話し声もほぼ聞こえなくなる。
アプリ「Nothing X」では他にも、空間オーディオやイコライザーの設定を行える。イコライザーは「バランス」「低音を強調」「高音を強調」「音声」の4つのプリセットに加え、自分好みにカスタム設定も可能だ。帯域ごとにスライダーを調整する一般的なイコライザーはなかなか調整が難しいものだが、これは低音/中音/高音を調整するだけなので簡単だ。
詳細設定からは、一般的なイコライザーと同様の調整も行えるが、その場合には空間オーディオが利用できなくなるので注意してほしい。
Headphone (1)は、Nothingらしい唯一無二のデザインと、KEFとの共同開発による高品質なサウンド、そして直感的な物理操作など、実用面でも高い完成度を誇っている。約4万円という価格は、デザイン性も重視したいユーザーにとって非常に魅力的な選択肢といえるだろう。
イヤーパッドの交換ができず、イヤーパッドの劣化がそのまま製品寿命となってしまうのは残念だが、それを補って余りある個性と性能を持っている。特に、タッチ操作が苦手な人や、他の人とは違うヘッドフォンを探している人には、ぜひ試して欲しい製品だ。
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