JILBYの発表に併せて、アイリスオーヤマはNTT西日本と業務提携に関する基本合意覚書の締結を発表した。NTT西日本グループが、12月15日から提供を開始する「AIロボティクスプラットフォーム」との連携によって、フィジカルAIの実現に取り組む。
具体的な機能として、まず「AIエージェント」をJILBYに実装することで、タブレットやスマートフォンなどの端末を通して、ユーザーとロボットがテキストや音声で双方向コミュニケーションをできるようにする。また、蓄積した清掃データなどをベースに、AIが自律的に学習し、AIエージェントが最適な清掃ルートや清掃頻度、清掃時間帯などを提案し、清掃業務の効率化と最適化を実現するとしている。
さらに、スマホを通して東京から北海道の清掃ロボットに指示をしたり、海外の複数の清掃ロボットを稼働させたりといったように遠隔操作の指示も可能になる。加えて、稼働データを元に清掃用ブラシの取り換えを提案したり、清掃データを踏まえて重点的に清掃する場所の提案も行ったりする。
アイリスオーヤマが持つ研究開発(R&D)技術やモノづくり力/営業力と、NTT西日本が持つAIおよびロボティクスの基盤技術、全国規模の保守/監視/点検体制を組み合わせて、広い分野での労働力不足の課題解決を図るという。
アイリスオーヤマの大山社長は「(NTT西日本グループとは)フィジカルAIとロボットを含めたIoT領域における革新的サービスの共同事業化を検討することになる。新たなソリューションの開発/製造/販売と、アイリスオーヤマの強みを生かしたマーケティングを組み合わせて、サービスロボット領域を拡大していく」とした上で、「ロボットだけでなく、ビルマネジメントシステム、各種センサー、ウェアラブル端末と組み合わせて、保守/メンテナンスサービスの効率化、合理化を図る」と語った。
一方、NTT西日本の北村亮太社長は「ロボットは次世代の社会インフラと捉えており、労働力不足の解決策の1つとしても注目している。人とAIロボットが協働する新たな社会基盤を創出することがNTTグループの使命である」と前置きした上で、「AIロボティクスプラットフォームは、日本のロボットスタートアップ企業であるugoと共同開発したものだ。誰もが簡単かつ安全にロボットを活用でき、異なるロボットを同時に制御/監視/運用できる。また、ロボットを自律的に稼働させるためのAIも提供する。これらの中から、厳選した機能を(アイリスオーヤマの)JILBYに提供する。日本語の理解に強い(NTTの)『tsuzumi』と、会話の応答や推論に強い『ChatGPT』のハイブリッド利用により、ロボットによる会話を実現し、清掃指示やロボットからの提案が行われる。今後は地域DX(デジタルトランスフォーメーション)/GX(グリーントランスフォーメーション)において、ロボットだけに留まらない連携も進めたい」と語った。
なお、ロボットへのtsuzumiの実装は今回が初めてとなる。
アイリスオーヤマの吉田豊執行役員(ロボティクス事業部 事業部長)は「ロボット/AI/ロボットプラットフォームの融合により、社会実装を加速できる。これまではロボットの活用を前提とした施設が少ないこと、コストパフォーマンスの両立が難しいことが実装における課題となっていたが、ロボットと通信の融合で生産性を飛躍的に向上させることができる。JILBYと各種ロボット、ビルマネジメントシステムをはじめとした社会システムとの連携、さまざまな業態への提案、稼働データの活用などにより、フィジカルAIの世界を実現する。清掃ロボット以外にも、さまざまなロボットを開発し、運用生産性や労務生産性、経営生産性を向上できる」と提携の意義を説明した。
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