Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)の「Xe3 GPU」の全体像を解説 完全な新世代ではないものの用途に合わせた最適化がポイント(3/3 ページ)

» 2025年11月14日 12時00分 公開
[西川善司,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ピーク性能は12コア仕様で「Xbox One X」超

 ここで、Xe3 GPUの理論性能値を求めてみよう。下の資料にもあるように、Xe3 GPU(12コア仕様)の8bit整数(INT8)時のピーク性能は120TOPS(毎秒120兆回)と公開されている。

 これはXe系GPUに内蔵されている推論アクセラレーター「Xe Matrix Extensions(XMX)」の値で、XMXは「1クロック当たり4096OPS」という性能値も公開されているので、ここから最大動作クロックを以下の式で逆算できる。

 12(Xeコアの数)×4096(OPS)×F(GHz)=120TOPS

 F=120TOPS÷12÷4096=2.44GHz

 最大動作クロックが分かれば、プログラマブルシェーダー全体の理論性能も以下の通り計算可能だ。

 12(Xeコアの数)×8(XVEの数)×16(SIMD16演算)×2FLOPS(積和算)×2.44(GHz)≒7.5TFLOPS

 これまで、Intelの内蔵GPUの理論性能値は、Meteor Lakeの約4.61TFLOPSが最大だった。計算上、Panther Lakeはそれを約1.6倍上回る性能を備えることになる。

 据え置きゲーム機の内蔵GPUと比較すると、「Xbox One X」の6TFLOPSを超えている。なかなかの高性能ぶりだ。MSIがこれを使ったポータブルゲーミングPCを出してくるかもしれない(あくまで予想だが)。

仕様 Panther LakeのXe3 GPUの仕様一覧。推論アクセラレーター(XMX)の演算性能公称値は120TOPSと明記されているので、ここからGPUの動作クロックを逆算可能だ

4コア構成でも案外強い ピーク性能は「プレイステーション4」を超える

 さて、ここで後回しにしてきた4コア仕様のXe3 GPUについても見てみよう。

 4コア仕様の場合、1基のレンダースライスに2基のXeコアを備えており、これを2基搭載している。なのでXeコアは2基×2=4基構成となる。動作クロックを2.44GHzとして理論性能値を求めると、以下の通りだ。

  4(Xeコアの数)×8(XVEの数)×16(SIMD16演算)×2FLOPS(積和算)×2.44(GHz)≒2.5TFLOPS

 動作クロックが高いこともあって、想像よりもだいぶ高い性能だ。なにしろ、PlayStation 4の内蔵GPUのピーク性能(1.84TFLOPS)を上回っているのだから。

 最新の大作3Dグラフィックスゲームは無理だとしても、シンプルなビジュアルのゲームは普通にプレイできるだろう。

仕様 Xe3 GPU(4コア仕様)のブロックダイアグラム

 次回は演算器であるXVEやXMX、レイトレーシング処理を担う「レイトレーシングエンジン」をもっと深掘りしつつ、Xe3 GPUの全般的な改良ポイントをさらに深掘りしていく。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月07日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  5. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  6. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  7. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  8. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  9. エイサー、フルHD×2面表示が可能な折りたたみ式15.6型/23.8型デュアルモバイルディスプレイ (2026年11月05日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー