VAIOのキッティングと修理は“ふるさと”で――担当者が語るメリットとは?(3/3 ページ)

» 2026年02月13日 17時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

生産拠点で修理も行うメリットは大きい

 今回の取材では、安曇野本社に設置されている「修理エリア」の様子も公開された。ただし、ここも個人情報などを取り扱っている現場であるため、写真撮影は禁止されたので文章を中心に様子をお伝えしたい。

 修理サービスは安曇野本社の他、山形県と千葉県にある協力工場でも実施している。修理期間は「入荷から出荷まで約7日間」を基本に対応しているという。

 修理は「入荷」「切り分け」「修理」「出荷」の4つの工程で行われる。

修理の流れ VAIOにおける修理の流れ。基本は個人/法人で変わりなく、基本的に入荷から出荷まで約7日間で実施している

入荷工程

 修理が必要だと判断されたPCは、VAIO指定の輸送業者が資材を持参して対象PCをその場で梱包(こんぽう)/回収し、修理拠点に配送される。

 入荷工程では、午前中に入荷した故障品を開封し、専用修理システムに型番やシリアル番号、同封されてきた付属品などの情報を入力する。すると、保証期間などの情報が表示される。

 この情報は紙に出力される他、シリアル番号をもとにUEFIを始めとするファームウェアのアップデートなど、追加の技術作業が必要であるかも確認できるという。作業前には外観検査も実施し、トラブルが発生しないようにしているそうだ。

切り分け工程

 切り分け工程では、サポート窓口であらかじめヒアリングした内容をもとに、故障(障害)の原因を特定し、症状を切り分ける作業を行う。

 サポート窓口では、UEFIセットアップやOSにアクセスするためにパスワードを事前に聞くようにすることで、不具合の事象に短時間でたどり着けるようにしている。しかし、パスワードはセンシティブな情報でもあるので、開示してもらえないこともある。その場合は、専用治具によりWindowsをUSBポートから起動することで、切り分け作業を実施するそうだ。内蔵SSDなどには触れずに点検し、不具合を再現するという。

 切り分け作業から特定した原因を元に、保証規程の範囲内であればそのまま修理を開始する。保証規定の範囲を超える場合は、サポート窓口と連携して修理作業の可否をユーザーに確認してから作業を開始する。

修理工程

 修理工程では、故障原因を元に必要な部品の手配と、修理手順指示に従った修理を行う。

 使う修理部品は、病院で手渡される処方せんのような紙に書かれている他、専用修理システムでも管理されている。手配された部品が修理工程に供給されると、修理作業が始まる。

 修理作業者は、優先作業指示が出ているPCから順次修理作業を行っていき、修理が完了すると出荷検査まで行う。この出荷検査は故障箇所だけでなく、PCの全機能についてチェックを行うようになっている。例えば「画面が映らない」という不具合が発生した結果、ディスプレイパネルを交換する作業を行った場合は、パネル周辺だけでなく生産工程で使っている検査ツールを活用して全機能の検査を行う。

 全機能に問題がなければ、最終の出荷工程に回される。

出荷工程

 出荷工程では、修理を終えたPC本体と付属品に「サービス明細書」などを添付して、届け先に配送する手続きを行う。出荷は夕方にまとめて行われる。

修理結果は工場内でフィードバック

 VAIOの修理において特徴的なのは、「高速フィードバックループ」という仕組みが導入されていることだ。

 先述の通り、VAIOでは安曇野本社を含む3箇所で修理対応を行っているが、新機種については全て安曇野本社の修理エリアで実施している。新機種に修理依頼があった場合、着荷すると切り分け工程の特別なエリアに移送される。このエリアに移送されたPCは、修理部門に加えて安曇野本社内の品質保証部門や設計部門の担当者も参加して修理前検証が行われる。

 VAIOの出井亮氏(オペレーション本部 カスタマーサービス部 CSサポート課)は、そのメリットを以下のように語る。

 発生している不具合を元に、その解決策を生産している製品にすぐに反映する『ランニングチェンジ』を実行している。場合によっては、部品を1個追加するといった改善を行うこともある。

 また、蓄積したデータを後継機種の設計に反映するといったことも行っている。設計/開発/生産部門が同じ場所にあることから、すぐにフィードバックできる仕組みが構築できている。

 より良いモノを作るために、全社を挙げて「安曇野FINISH」を実現している。

高速フィードバックループ 高速フィードバックループの概要

 作れば作るほど、品質が高まる――高速フィードバックループによって、そんな仕組みが構築されている。

 不具合が発生しても、修理をするだけでは終わらせないという、VAIOの物作りへのこだわりがここにも感じられる。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月02日 更新
  1. 「Windows 11 2026 Update(バージョン 26H2)」の製品版が登場 Windows Updateを通して順次展開 (2026年09月30日)
  2. RTX Spark搭載「Surface Laptop Ultra」がお披露目か Microsoftが10月7日にイベント開催 (2026年10月01日)
  3. 新生「エプソンジャパン」が次世代ホーム戦略を発表 月額1100円からのプリントサブスク「ReadyPrint」やプリンタ新製品も (2026年10月01日)
  4. 圧倒的な通気性と航空モチーフのデザインが光る「ANAオリジナル タフな背中がムレにくいビジネスリュック」を試す (2026年09月28日)
  5. 処理速度を向上してスリムになった新型「Fire TV Stick 4K」登場 リモコンも一新 (2026年09月30日)
  6. 理論値以上のゲーミング性能を発揮できる秘密は? MSI Claw 8 EX AI+で知る「Intel Arc G3 Extreme」の実力 (2026年09月30日)
  7. サイバー攻撃より怖い? ドラッグ&ドロップの操作ミス、原始的な「ファイルを選択」でヒューマンエラーを防げるか (2026年10月01日)
  8. 13.3型で約1.005kg! Core Ultra(シリーズ3)搭載モバイルPC「Let's note NC7」個人向けモデルが11月18日発売 (2026年10月01日)
  9. 交換式バッテリー&カメラ付き“全部入り”スマートグラス「INMO GO3」を試す (2026年09月29日)
  10. NVIDIA「RTX Spark」から「トークン経済圏」まで 次世代AI PCとAIファクトリーの行方を探る【動画対談】 (2026年09月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー