SNSの死後削除ニーズは5割! コロナ禍で変化した「おひとりさま信託」の実態:古田雄介のデステック探訪(3/3 ページ)

» 2026年03月29日 12時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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オプションで見守りや墓じまいサービスも追加

 おひとりさま信託は、運用においてもデジタルをうまく活用している。初回の契約時は同行の店舗でやりとりするが、以降はオンラインが基本となる。契約時に渡した「未来の縁-ingノート」は電子化され、契約者のマイページからログインして内容を確認したり、書き換えたりできる仕組みだ。

 日頃の安否確認も、基本はデジタルとなる。1カ月、もしくは1週間に一度SMSで安否確認のメッセージを送り、一定期間反応がない場合は安否調査に乗り出す流れとなる。ただし、医療機関や介護施設などに移った場合、もしくはオプションの警備会社による見守りサービスを利用している場合は機能が重複するため、SMSでの設定は解除が推奨される。いつでも調整できるので、生活環境や心境の変化などに合わせて切り替えていけばいい。

 そのあたりの柔軟性が、おひとりさま信託の要だと川西さんは語る。

 「おひとりさま信託は、弊社の社員がお客さまとお話しする中で必要性を感じて生まれました。(以前から提供していた)遺言信託ではカバーしきれないところにニーズがあるようだ、と。2025年から提供している『見守り』や『身元保証』、『墓じまい』などのオプションも、そうした現場の声から企画されました。人生100年時代となると、お子さまも80歳近くになることが珍しくなくなります。そのときに金融機関がどんなサービスが求められるのか、そこを意識していきたいと思っています」

 サービス開始当初、死後事務委任の活動は契約者の家族から警戒されることを覚悟していたという。しかし、予想以上に協力的な人が多く、現在もスムーズに事務処理が進むケースが多いそうだ。そこには死後の後片付けをアウトソーシングすることへの理解が、社会全体で進んだ背景もあるだろう。

 おひとりさま信託は、デジタルの持ち物の後片付けを外注するサービスともいえる。今は本人や遺族が処理するしかないケースが多いが、デジタル遺品もアウトソーシングで済ませられたら助かる人も増えるのではないかと思う。

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