一方、新規事業への取り組みとしては、2027年度までに、AIサーバの国内販売を開始することを発表した。AIサーバ事業は、2028年度以降の次期中期経営計画における「飛躍の材料」と位置付けていたが、これを前倒しして早期の事業化を図る。
AIサーバの事業化においては、シャープの親会社である鴻海との連携が前提となる。鴻海は、既に売上高の約4割をAIサーバの生産が占めており、同市場における世界シェアも約4割を持つという。
鴻海では、液晶パネルを生産していたシャープの亀山工場を活用して、日本国内でAIサーバの生産を開始することを明らかにしていたが、シャープは、まずは鴻海がグローバルで展開しているAIサーバを日本国内で販売することからスタートする。
シャープの河村哲治社長 CEOは「鴻海の生産力および調達力を生かしたAIサーバの販売を、日本で開始することになる。リードタイムがあるビジネスのため、2027年度に事業を開始するとなると、2026年度のできるだけ早い時点で受注開始の公表をしなくてはならない。その時点で、詳細を示したい」と、AIサーバ事業を前倒しで進める考えを示した。
今回の事業説明では、3つのステップを公表した。
最初のステップは、2026年度から2027年度にかけて鴻海が開発/生産したAIサーバを、日本においてシャープが販売することで、AIサーバ事業に参入し、さらに運用および保守体制も整備するという計画だ。
「需給がひっ迫しているAIサーバの確実な供給、最適なスペックの提案、顧客の課題解決に向けた総合提案、ユーザーの事業立地に合わせた細かな保守提案を進めることになる。ここには、シャープが培ってきたB2B事業のノウハウを生かすことができる」とする。
また、他社とのパートナーシップや、シャープが日本全国に保有している保守サービス網を活用することで、AIサーバの運用や保守が可能な体制にアップグレードすることになる。
ステップ2は2028年度以降の取り組みとなり、ここでは鴻海による日本国内でのAIサーバの生産が開始される。これに合わせてシャープではAIサーバの構築サービスおよび導入支援サービスにも事業領域を拡大する考えだ。
「Dynabookのリソースも活用して、AIサーバの構築、導入支援を行うことができる。末端の顧客とつながっていることがシャープの強みであり、顧客の要望を聞いて、これをAIサーバの開発に反映する役割も担いたい」と述べる。
この段階では、AIサーバとDynabookを組み合わせた連携提案にも注目される。
そして、将来の取り組みと位置づけるステップ3では、フィジカルAIやAIエージェントの領域において、次世代プラットフォームを構築する。エッジデバイスからデータセンターまでのAI基盤と、顧客課題を解決するためのソリューションを一体提供する新たなビジネスモデルの構築を目指すことになる。
また、シャープのAIサーバ事業をグローバルに展開する姿勢も見せた。シャープがITサービス事業の基盤作りを進めている欧州やオセアニアへの展開が見込まれるほか、家電事業が強いASEANにおいてもビジネス機会が生まれそうだ。
河村社長 CEOは「AIサーバ事業は当初、販売がメインとなるが、運用/保守/構築支援/導入支援といった形で付加価値を高めていきたい」と述べ、「米国や中国では、学習用途だけでなく、推論用途での利用が拡大している。ハイパースケーラー中心から企業や研究機関、自治体などがAIサーバに投資し始めている。日本では最初から推論用途が中心となったり、多様な利用者が参画したりする市場になる。シャープにとって、大きな事業機会を獲得できる市場になる」と位置付けた。
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