シャープはコロナ禍の2020年3月から、三重工場においてマスクの生産を行っている。説明会では、今後もシャープ製マスクの国内生産を継続することを明らかにした。
シャープ 執行役員ディスプレイデバイス担当であり、三重工場を統括するシャープディスプレイテクノロジー社長の川合勝博氏は、「社会貢献の1つとして、今後も長い期間にわたって一定量の生産を続けたいと考えている。現時点で止めるという計画はない」とし、今後もマスク生産を継続する考えを示した。
そもそもシャープがマスクの生産を開始した背景は、コロナ禍でマスクの供給がひっ迫する中、政府からの要請を受けたことだ。
液晶パネル生産を行っていた三重工場の敷地を利用し、液晶パネル生産に使用していたクリーンルームのノウハウを活用した。短期間に生産設備の導入や、材料の手配、人員の確保などを行い、2020年3月24日に生産を開始し、3月31日に政府向けに出荷した。
さらに、個人向けにもマスクを販売することを発表し、4月21日午前10時からシャープのECサイト「COCORO STORE」で販売を開始すると告知した。しかし先着順としたことや、申し込み時にCOCORO MEMBERSへの登録が必要だったことから、販売サイトや登録サイトにアクセスが集中。発売直後からつながらない状況が終日続き、大きな話題を集めた。
その影響から、シャープのAIoT家電の一部製品でクラウドサービスが利用できなくなるといった事態も発生した。
シャープでは販売方法の変更や、体制面/技術面の見直しを行い、抽選販売方式に変更して、4月27日午前0時から、改めて受け付けを開始。抽選当日には4万箱(50枚入り)を用意したものの、約470万人が応募し、抽選倍率は118倍に達した。
新型コロナウイルスの鎮静化とともにマスクに対する需要も減り、現在では普通に購入できる状態が続いている。こうした中で、シャープ 常務執行役員 Co-COO 兼 スマートライフビジネスグループ長の菅原靖文氏は、「マスクの需要は全体的に減少しているが、継続的な発注をもらっており、年平均10%減程度で推移している。シャープ製マスクを継続的に利用しているお客さまがいる。生産を維持するために必要なボトム量を割り込まない状況を継続することができている」と語った。
シャープディスプレイテクノロジーの川合社長は、「コロナ禍において、社会貢献ができることはないかという中で、不織布が入手できたこと、半導体工場で空いているエリアがあり、クリーンルームを活用してマスクを生産し、供給できると考えて開始した事業である」と前置きし、「いまだに注文があり、一定の需要規模を維持していることから継続的に生産を続けている。生産を止めることは考えていない」と語った。
当時、大きな話題となったシャープのマスクだが、今も継続的に生産/販売されることが改めて明確に示された形だ。
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