ここからは実際の作例を見ていきましょう。なお、比較対象として「DJI Osmo Pocket 4P」の広角側の作例も掲載します。どちらも基本的に設定はオートにしており、購入してそのまま撮影した状態の映像や写真だと判断してください。
前述の通り、HOVERAir VERSAのレンズはフルサイズ換算で約15〜19mm相当となります。対するDJI Osmo Pocket 4Pは20mmです。どちらも広角レンズですが、HOVERAir VERSAの方がわずかに広く、これが手持ちで自撮りをする際に効果を発揮します。
HOVERAir VERSAの映像は空間に余裕があります。被写体の位置が一歩引いているような感覚になり、周囲の景色も含めやすいのが特徴です。自撮りという目的においては、HOVERAir VERSAの方が向いていると感じます。
トラッキングの性能も十分で、4K映像の緻密さもハイレベルに仕上がっています。同社にとってジンバルカメラとしては初のモデルとなりますが、これまでコンパクトなカメラドローンを作り続けてきた企業だけあって、非常に頼れる存在になっています。
一方、DJI Osmo Pocket 4Pの映像はさすがの一言に尽きます。被写体の位置が近いにもかかわらず、肌のトーンが自然に描写されています。また、マイクの録音品質や集音範囲についても、DJI Osmo Pocket 4Pの方が勝っています。とはいえ、HOVERAir VERSAも及第点を十分に超えるクオリティーだといえるでしょう。
写真の場合、HOVERAir VERSAはアスペクト比が4:3で、画素数は4096×3072ピクセルです。色味はやや濃いめに寄る傾向があります。今回は曇天のシーンということもあり、ダイナミックレンジの差はここでは分かりません。
HOVERAir VERSAの写真用シーンモードには、「ポートレート」と「風景」の2つが用意されています。こちらは色彩がビビッドに寄る風景モードによる作例ですが、確かに赤の成分が強調され、派手な色味に仕上がりました。
デジタルで強調された色合いではありますが、こういった濃い色味を好むユーザーが多いのも事実です。SNSに投稿した際にも、見栄えが良くなるメリットがあります。
2倍のデジタルズームも試してみました。輪郭はシャープに残っているものの、花びら表面の模様などは調整された色合いによって、やや塗り絵のように見えてしまう部分があります。
背景ボケの量については、1インチセンサーを搭載し、わずかとはいえ焦点距離が長いDJI Osmo Pocket 4Pの方が豊かです。ただ、ご覧のように細部の描写力においてはHOVERAir VERSAも大いに健闘しています。パンフォーカス気味の映像や写真を好む方に向いているカメラといえます。
スローモーション撮影は、比較のために再生速度をそろえました。HOVERAir VERSAの解像度は1080pとなりますが、水の動きや反射といったニュアンスはしっかりと残っています。精緻な描写やボケ感ではDJI Osmo Pocket 4Pが勝るものの、HOVERAir VERSAでも積極的に活用して、印象的なシーンを残していける実力があります。
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