日本ケータイの世界再進出をサポート――Symbian Foundationのウィリアムズ氏神尾寿のMobile+Views(2/2 ページ)

» 2008年12月22日 19時53分 公開
[神尾寿,ITmedia]
前のページへ 1|2       

多彩なハードウェア上での高いパフォーマンス実現を目指す

Photo

── Appleの「iPhone 3G」ではハードウェアとOSを垂直統合的に開発して反応速度の速さを実現し、使いやすいスマートフォンとして人気を集めています。一方、Symbian Foundationのスキームでは、OSと端末(ハードウェア)の開発が水平分業となり、さらに複数メーカーの端末をサポートすることになります。こういった体制で、iPhone 3Gに負けない反応速度や一貫性のある使いやすさを実現できるのでしょうか。

ウィリアムズ氏 iPhone 3Gとの比較ということですが、(iPhone 3Gという)『1つのハードウェア、1つの構成・仕様』のみでパフォーマンスを出せるというだけでは、(OSとして)十分ではないと我々は考えています。ソフトウェアプラットフォームというのは、幅広いハードウェア上で良いパフォーマンスを出す必要があるでしょう。

 例えば端末によって、グラフィックアクセラレーターのチップ性能が高いものもあれば、低いものもある。しかし、そういった端末構成の差があったとしてもきちんとサポートし、パフォーマンスを出していかなければなりません。Symbian Foundationとしては今後も、多くの構成・仕様の端末をサポートし、それぞれにおいて高いパフォーマンスを実現していきたいと考えています。

 ただ、その一方で、iPhone 3Gが『うまくやっているな』と感じる部分もあります。例えばアプリケーションやタスクの切り替えで発生する待ち時間において、あたかもパフォーマンスが出ているように(アニメーションなどで)演出している。そういったユーザーエクスペリエンスにつながる部分は、Symbian Foundationのエコシステムでも吸収していきたいと考えています。

── 今後のエコシステム競争では、学生や若い開発者の育成と獲得が重要になります。その点でAppleやMicrosoft、Googleなどは高い知名度を持ち、若い開発者を獲得しやすい環境にあります。一方でSymbian OSは、それらと比べるとブランド力でやや劣るという印象があります。今後、モバイル向けOSのエコシステムが重要になる中で、一般層も含めて広くブランド力が重要になるわけですが、Symbian Foundationとしてどのようなブランド戦略を考えているのかお聞かせください。

ウィリアムズ氏 Symbian OSのこれまでのブランド戦略はAppleやMicrosoftとは違います。中身のブランド戦略とでも言いましょうか、ただ単にブランドの知名度をだけではありません。今後のSymbian Foundationのマーケティング戦略では、エコシステム全体で利用するブランドガイドラインを用意し、(参加する企業全体で)ブランドを訴求していきます。さらに消費者やデベロッパーに共鳴するようなブランド戦略をとっていきます。

オープンソース化で、家電やPND、ビジネス機器も視野に

── 2010年以降、モバイル機器向けOSのエコシステム競争の中で、Symbian Foundationはどのようなポジションを取っていると考えていらっしゃるのでしょうか。

ウィリアムズ氏 将来のことは推測するしかないわけですけれども、2009年上期にSymbian Foundationのメンバーが技術仕様にアクセスできるようになります。その後、2010年には(Symbian Foundationの)技術仕様が公開されます。これによりプラットフォームはオープンなものになり、その資産は(モバイル業界の)デファクトスタンダードになるでしょう。

 これらSymbian Foundationのプラットフォームの対象は、まずは携帯電話やスマートフォンすが、もっと大胆な予想をすれば、(その対象は)ほかのデジタル機器やエンタテイメント機器にも展開していくのではないかと考えています。

── それはつまり、ポータブルメディアプレーヤーやゲーム機、PNDなどもSymbian Foundationのターゲットとして見ているということでしょうか。

ウィリアムズ氏 いや、それよりももっと対象は広いですね (笑)。大胆なビジョンでいえば、世界ではインターネットに接続されたPCが数多くありますが、これはまだ(ネットの広がりという点では)表面をなぞらえたに過ぎないと考えています。

 モバイルという観点では、もっと大きく人々の生活を変えていけるはずですし、それを向上していけるはずです。想像力を広げれば、あらゆる家電やビジネス機器、エンタテインメントに関わる端末など、すべてがSymbian Foundationの技術の対象になると考えられます。

携帯業界のトレンドを知りたいと思ったら→+D Mobile「業界動向」へ
  • 各キャリアの発表会リポート
  • 国内外の携帯市場動向
  • 通信業界のキーパーソンインタビュー
  • 携帯事業者別シェア/携帯出荷台数
  • 携帯関連の調査リポート記事

携帯業界のトレンドや今後を把握するのに必要な記事だけを集めたのが“+D Mobile 業界動向”。記事はトピックや連載ごとにアーカイブされ、必要なときにまとめてチェックできます。
今すぐアクセス!


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月09日 更新
  1. コンセントに挿すだけで見守れる「Wi-Fiセンシングプラグ」発売 人感センサーよりも広範囲に検知 (2026年04月07日)
  2. メルカリで詐欺に遭った話 不誠実な事務局の対応、ユーザーが「絶対にやってはいけない」こと (2025年04月27日)
  3. 「Google Pixel 10a」を実質3万9800円で入手する方法 先代「Pixel 9a」から“値上げしなかった”理由 (2026年04月07日)
  4. 「任天堂3DSの未使用品、素手で触るなよ」――中古店による「素手持ち」写真が物議 商品ランクの定義とは? (2026年04月07日)
  5. PayPay、5月以降に4自治体でプレミアム付き商品券を提供 最大2万円おトク (2026年04月08日)
  6. 「Google Pixel 10a」はどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年04月08日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. Android 15搭載11.97型タブレット「アイリスオーヤマ 12型タブレット TM12E2W74-AZ1B」が19%オフの2万3800円に (2026年04月08日)
  9. 依然として人気の高い「iPhone SE(第3世代)」、2万円台のお手頃価格も魅力 Back Marketの販売ランキング (2026年04月07日)
  10. iPhoneの「衛星経由のSOS」って誰が使えるの? (2026年04月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年