スマホ好調のドコモは減収増益 Windows Phoneは来年夏から「検討」(1/2 ページ)

» 2011年07月29日 22時37分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo NTTドコモの山田隆持社長

 NTTドコモのスマートフォン販売が好調だ。7月29日に行われた第1四半期の決算会見で同社の山田隆持社長は、28日までにスマートフォンの販売台数が200万台を突破したと発表。通期で600万台という目標に対して順調に推移しているという。「年末商戦なども考えれば、あと100万台ぐらいの余力があるのでは」と、目標を上方修正する可能性にも触れた。

スマートフォン顧客満足度No.1に向け対策強化

 第1四半期の売上高は、前年比3.9%減の1兆473億円。営業利益は11.3%増の2677億円だった。減収要因は音声収入の減少や、端末の低価格化による端末販売収入の減少など。一方で、コスト削減や好調なスマートフォン事業が増益を支えた。「ほぼ想定通りに進捗している」(山田氏)


photophoto 決算の概要

photo スマートフォンの販売実績

 第1四半期のスマートフォン販売台数は130万台。昨年の通期販売台数(252万台)の半分以上を3カ月で売り上げた。7月28日時点では202万台に達しており、「GALAXY S II SC-02C」(6月23日発売)は33万台、「MEDIAS WP N-06C」(同24日発売)は21万台、「Xperia acro SO-02C」(7月9日発売)は23万台と人気を博している。

 スマートフォンで“顧客満足度No.1”目指すべく、端末だけでなくユーザーサポートやサービスも増強中だ。「去年は応答率が悪かった」(山田氏)というコールセンターは、iモード担当を超える人数をスマートフォン担当に割り振り、スマートフォン関連の問い合わせが「80%の応答率」に。スマートフォン専用のショールームも新たに4店舗を開設したほか、“スマートフォンマイスター”とよばれるエキスパート店員を7000人以上育成した。「今後は1万人を目標に増やしていく」(山田氏)

 ユーザーが安心してスマートフォンを使えるよう、7月からはAndroid端末向けウイルス検知サービス「ドコモ あんしんスキャン」をスタート。ウイルス対策は「スマートフォンの基本」(山田氏)と考え、無料で提供する。

 iモードサービスの移植も進め、新たにiチャネルや緊急地震速報(CBS方式)といったサービスがスマートフォンで使えるようになった。冬にはiコンシェルに加え、iモードの課金・認証システムを移植し、「iモード端末からスマートフォンに買い換えてもサービスが継続できる」(山田氏)ようにする。これによりコンテンツプロバイダーは「これまでどおりのビジネスができる」という。


photophoto iモードサービスの移植は今後さらに本格化する

 こうしたスマートフォン事業の強化が実れば、データ通信収入のさらなる増加が見込める。第1四半期のパケット収入は前年同期比で303億円増え、データARPU(ARPU:ユーザーの平均利用料)は前年同期比110円増の2620円となった。110円のうち60円がスマートフォンのデータプランによるものだ。残りの30円はデータ端末、20円はiモード端末が寄与している。


photophoto 総合ARPUやデータARPU、データ収入の推移

 同社はデータARPUを増やすことで2011年度に総合ARPUの減少を止め、2012年度からは上昇に向かわせる計画。第1四半期のデータARPUは計画値を「若干上回っている」と山田氏は話す。

 なお、KDDIが発売を決めた「Windows Phone」について山田氏は、「結論としては冬モデルでは出ない」が、「夏モデルから検討する」とコメントした。

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