気負わず作れるデータベース、iPadへの展開も容易――中小企業向けをうたう「FileMaker Pro」の特徴は9・11の被害者特定システムも2日で開発(1/2 ページ)

» 2011年11月18日 10時30分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 米FileMakerでCFOを務めるビル・エプリング氏(画面=左)と、システムエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ルケイツ氏(画面=右)

 顧客や製品、備品の管理、社員名簿、発注書、商品カタログ……。仕事をする上で欠かせないのが、業務データを管理するためのデータベースだ。

 これまでデータベースは据え置き型のPCで扱われることがほとんどだったが、スマートフォンやタブレット端末の登場で状況は一変。外出先でも広く活用されるようになってきた。

 データベースとスマートデバイスの連携により、生産性や業務効率が向上したという例は枚挙にいとまがない。商品の動きをリアルタイムで共有できるようになったり、いつも最新データが入った電子商品カタログを活用できるようになったり、プロジェクトの最新の進捗情報を確認できたり――と、その用途はさまざまだ。

 しかし、現場でネックになっているのが、業務用データをどのような方法でスマートデバイス向けに展開するかだ。PC向けのデータは、そのままではスマートデバイス上で扱いづらく、“必要なデータを、いかに容易にスマートデバイス向けに展開できるか”が課題になっている。

 こうした中、注目を集めているのがファイルメーカーのデータベース製品群だ。データベースソフトの「FileMaker Pro」は、業務で使っているデータソースを読み込んだり、複数のデータベースの中から必要な部分のみを読み込んで統合して扱うことが可能。新たに使い始める場合にも、30種類超のテンプレートを利用できるなど、一から開発することなく導入できるのが特徴だ。

 こうして作成したデータベースは、iPhoneアプリの「FileMaker Go for iPhone」、iPadアプリの「FileMaker Go for iPad」を通じて外出先からアクセス可能。このソリューションを利用すれば、業務で利用しているデータベースを短期間でスマートデバイスに展開できるというわけだ。

 ファイルメーカーのデータベース製品は、中小企業にとって導入しやすいものなのか、また、どのような形で業務効率化に役立つのか。米FileMakerでCFOを務めるビル・エプリング氏と、システムエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ルケイツ氏に聞いた。

Photo FileMaker Proの初回起動時には、使い始める際の助けになるコンテンツへのリンクが表示される
Photo 30種超のテンプレートを利用できる
Photo 「請求書」のテンプレート
Photo FileMaker Proで作成したデータは、iPhone/iPadアプリのFileMaker Goで扱える

中小企業のスマートデバイス活用を支援するデータベースソフト

Photo ビル・エプリング氏

―― ファイルメーカーのデータベース製品は、どのようなユーザー層をメインターゲットとしているのでしょうか。

ビル・エプリング氏(以下エプリング氏) ワークグループのデータベースとして活用してもらうことを想定した製品です。中小企業はもとより、大企業でも組織の一部門で使ってもらうことを念頭に開発しており、導入のしやすさ、扱いやすさが特徴といえるでしょう。

 企業の業務内容は多岐にわたっており、企業ごとにさまざまなデータベースのニーズがあります。ファイルメーカーのデータベースソフトは、こうした要望に柔軟に対応できるのも特徴の1つで、中小企業の特化したニーズにも対応できます。

―― ファイルメーカーでは、FileMaker Proで作成したデータベースをiPhoneやiPadで活用するためのアプリFileMaker Goをリリースしています。このアプリをリリースしたことで、データベースの活用シーンはどのような広がりを見せていますか。

アンドリュー・ルケイツ氏(以下ルケイツ氏) 企業の業務は、スタッフが外に出て行うことが多いものです。検査や監査、機器の修理、商品の配送などさまざまな業務がありますが、ノートPCを持ち歩くのは面倒な環境が多かったと思います。しかし、iPhoneやiPadが登場したことで、業務フローのすべてをFileMaker製品で完結させるケースが増えています。

 FileMaker Proは、モバイル環境で業務をこなすのに役立つさまざまな機能を実装していますが、中でも好評なのが手書き署名への対応です。

 手書きの署名が必要であるために、紙で情報を処理している現場も多いと聞きますが、手書き以外の部分はデータ化が必要になるわけです。データ化は手間やコストがかかる上、入力時にミスが起こる可能性もあります。

 FileMaker Proの手書き署名機能は、署名欄をタップすると手書き用のフィールドが表示され、指で署名ができます。署名はデータベースに保存され、通信環境がある場所ならすぐにサーバに送ることができます。この機能は既存のデータベースに4時間もあれば実装できるのです。

Photo 医療機器を納品している会社の実例。サービス完了時の署名をFileMaker Goを通じて入力できる
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